エミール・リュイールのノストラダムス本 ― 2009/11/04 22:11

エミール・リュイールは、エドガー・レオニのノストラダムス文献レビューのなかで20世紀フランスのノストラダムス解釈者のビッグ・スリーの一人と評された人物である。後の二人はラモールとフォンブリュヌ博士であるが、あくまでもレオニの時代の視点である。1938年に"Le grand carnage:1938-1947, d'apres les propheties de Nostradamus "(1938年から1947年ノストラダムスの予言に基づく大虐殺)、1939年に"L'ecroulement de l'europe d'apres les propheties de Nostradamus, Les invasions"(ノストラダムスの予言に基づくヨーロッパの倒壊、侵略)、1948年に"Nostradamus ses propheties 1948-2023"(ノストラダムス、その予言集1948年-2023年)が出版されている。1938年の著書の一部は黒沼健氏が紹介しているし、1948年の著書の48頁にあるノストラダムスの肖像は『世界の奇書101冊』に転載されている。このようにほんのわずかだが日本の関連書にも取り込まれている。
百詩篇第10巻72番解釈集にあるように、リュイールは『ノストラダムスとルネサンス』で1999年7月28日に起こる日蝕と捉えている註釈家として言及されている。これは1948年の著書の196-197頁の引用で忠実に訳出している。アンリ二世への書簡の注釈の章のなか、天地創造からキリストの磔刑の日に至るまでの最も陰惨な日蝕が予言されているという文脈で引用しているだけで、アンゴルモアの大王などの個別の注釈は成されていない。リュイールは1999年に至るシナリオをどのように考えていたのだろう。最後の結論部分には年数入りの予測を書いている。今更であるが一部紹介すると、8番目のアンテクリストであるサタンが1994年9月に権力を与えてアジアのすべての王を凌駕する指導者が西方の襲撃に万全を備える。そして1996年から1999年まで戦争が続き、ヨーロッパは最も血に染まった戦闘へと見舞われる。とまあ今日よく見るシナリオではある。
ではどう決着がつくのだろうか。アメリカ軍とヨーロッパ軍が集結し、アジア軍を壊滅させる。そのとき1999年7月と8月に二つの蝕があり、8番目のアンテクリストが捕らえられ1999年11月24日に処刑されて新時代が到来する・・・その後は至福千年(ミレニアム)、世界の終わり(最後の審判)とにわかに宗教色を帯びた未来観で締めくくっている。この辺りがノストラダムス予言解釈の限界なのかもしれない。
百詩篇第10巻72番解釈集にあるように、リュイールは『ノストラダムスとルネサンス』で1999年7月28日に起こる日蝕と捉えている註釈家として言及されている。これは1948年の著書の196-197頁の引用で忠実に訳出している。アンリ二世への書簡の注釈の章のなか、天地創造からキリストの磔刑の日に至るまでの最も陰惨な日蝕が予言されているという文脈で引用しているだけで、アンゴルモアの大王などの個別の注釈は成されていない。リュイールは1999年に至るシナリオをどのように考えていたのだろう。最後の結論部分には年数入りの予測を書いている。今更であるが一部紹介すると、8番目のアンテクリストであるサタンが1994年9月に権力を与えてアジアのすべての王を凌駕する指導者が西方の襲撃に万全を備える。そして1996年から1999年まで戦争が続き、ヨーロッパは最も血に染まった戦闘へと見舞われる。とまあ今日よく見るシナリオではある。
ではどう決着がつくのだろうか。アメリカ軍とヨーロッパ軍が集結し、アジア軍を壊滅させる。そのとき1999年7月と8月に二つの蝕があり、8番目のアンテクリストが捕らえられ1999年11月24日に処刑されて新時代が到来する・・・その後は至福千年(ミレニアム)、世界の終わり(最後の審判)とにわかに宗教色を帯びた未来観で締めくくっている。この辺りがノストラダムス予言解釈の限界なのかもしれない。
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