王将戦第二局は後手深浦が4手目△3三角戦法2009/01/28 23:12

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今日から王将戦第2局が始まった。第1局は羽生が同型角換わり腰掛銀で後手番をブレイク。本局は後手番の深浦が作戦を考えるところだ。両者ともベースは居飛車党であるが、羽生は何でも指せるし深浦も時折力戦振り飛車を見せることがある。戦型を注目していたが深浦は用意の作戦であろう、最近流行の4手目△3三角戦法を選択した。この作戦は基本的に角交換の将棋になるが、相手の出方で居飛車にも振り飛車にもできる。まだまだ十分に舗装されていない道路なので力戦模様での読み比べとなる。この△3三角戦法は今年度後手が6割以上の勝率を挙げている有力な作戦であるらしい。将棋世界11月号の付録になったり単行本も出たりとまさに今が旬である。

通常は角交換振り飛車に対しても、居飛車側は局面を収めて居飛車穴熊に囲えれば作戦勝ちになりそうだ。しかし4手目△3三角戦法は先手が一手損の角交換し、後手は桂を跳ねさせられた手を生かしてタイミングを図って△2五桂と跳ねてくるため油断がならない。単純に飛車先の歩を伸ばされるとあっという間に後手優勢となってしまう。本譜は歩を伸ばした手に対して29手目▲3八桂と無筋の桂馬を打った。似たような形の前例があるとはいっても打ちづらい。その前に1筋を突いてあるのも見逃せない。封じ手の局面は後手が△3二金と締まったところ。次は何でも△2五歩と打って桂馬を取りに来る。羽生は2時間の長考の後、封じ手を行った。

一目は1筋の歩を突いた手を生かして▲1七桂としたい。こう指すとあとは一直線の変化となる。△2五歩▲3四桂△同銀▲5六角の展開が考えられる。これに対して△3三金と受けるのは▲2五桂から飛車交換になって飛車を先着できる先手が指せそう。しかし後手に何かうまい手があると▲1七桂を断念して他の手を探すことになる。果たして羽生は長考でどの手を選んだのだろうか。明日も楽しみである。