黙示録とノストラダムス予言集の一致2009/01/14 23:52

もう一冊アンリ・トルネ・シャヴィニーの本を入手してみた。タイトルは「黙示録とノストラダムス予言集の一致、或いはノストラダムスによって解釈された黙示録」で1872年に出版されたもの。以前に紹介した本と同様に、どういうわけか幾つかの断章が閉じこまれている。メインの「ノストラダムスによって解釈された黙示録」は184頁からなり、ヨハネ黙示録の全章をフランス語で引用、その節ごとにトルネの注釈がつく。「符合した大いなるエポック」では実際の西暦と黙示録の章とを関連付けている。トルネの解釈によれば1790-1999年は20章に対応し「解き放たれたサタンが堕落させる」時期、そして1999年以降は「世界の終末」としている。10-72と10-74をセットにしていることから聖書でいう最後の審判と見なしているのかもしれない。

ページをめくると、いきなり145頁が現れる。298頁まで続くが、内容は「大予言者の手紙」のなかで「予言されたアンリ五世」をピックアップしたものと思われる。アンリ二世への書簡を三部に分けて注釈を行っている。途中からなので何の番号かは不明だが、62から631まで章分けされて四行詩のテクストを掲げ、過去から現代(トルネの時代)に至るまでの注釈を載せている。いわゆる通俗的な解釈の元祖がトルネであることがよくわかり面白い。おそらくトルネの頭のなかにはすべての四行詩が詰まっていて、それを自在に引き出しながら執筆していたと思われる。さらに「ノストラダムスに関するカンファレンス(講演)」が57頁から92頁、「確認された注釈」が117頁から122頁で終わる。

一番最後の雑録のところでル・ペルティエについての言及がある。ペルティエの示した1568年版予言集に異議を唱えている。自分の保管している1568年版とは本のデザインが違うという。これはトルネに軍配が上がる。トルネは予言のなかにルーサの本からコピーしたものがあると指摘したり、トリテミウス周期を認識していたりと、凡庸な解釈者でないところが少し垣間見えたような気がする。