スチュワート・ロッブの世界の諸事件に関する予言2009/01/26 23:27

ノストラダムスに関心を持ち始めた当初は、たま出版の大予言原典を入手し読んでみたが、原文と訳文の食い違いが気になり、英語の海外文献を入手してみたくなった。最初に入手したのがヘンリー・C・ロバーツ、チャールズ・A・ウォードそしてスチュワート・ロッブの解説書である。いずれも五島氏の『大予言』で言及されたノストラダムス研究家である。ロッブについては大陸書房から『オカルト大予言』が出ていたのを知り、紀伊国屋に注文したが残念ながら絶版となっていた。ロッブの本は"Prophecies on world events by Nostradamus"(ノストラダムスによる世界の諸事件に関する予言)で1961年の刊行である。この本の序文を読んで、予言集のテクストの権威としてバレートやル・ペルティエの名前を知った。

それまでの解説書の典型的なパターンは、まずノストラダムスの伝記があり、予言解釈はノストラダムスの時代から年代順に配列していた。そして過去の的中例で実績をつけた後に未来を描いている予言詩をもっともらしく解釈してみせる。予言詩のまとめ方は他にもいろいろある、というのをロッブの本は示している。読むほうとしてはポイントが絞れているので非常にとっつきやすい。例えば、1章は人名を含んだ予言詩をまとめ、2章は日付を含む予言詩を選んでいる。もちろんその中には1999年7ヶ月の詩も取り上げている。そこではこの年から27年間続くアルマゲドンの戦いとしている。3章は期間を記した予言、4章は16世紀と17世紀に成就した予言、5章はフランス革命、6章は20世紀となっている。

20世紀については、ロシア革命、第二次世界大戦、発明に関する予言、近未来と細かく分けている。今となってはロッブの解釈は伝統的な信奉者の代表でしかないが、初めて読んだ当時は読み物として、その章分けの斬新さに魅了された。最初の数十ページの訳をノートに書き付けたのも今となっては懐かしい。この本は現在も再版されている。