深浦が羽生に挑戦する王将戦が開幕した2009/01/17 23:18

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羽生王将に深浦王位が挑戦する王将戦が本日から始まった。先の王位戦では深浦が羽生の挑戦を4-3で退けている。深浦は唯一羽生とほとんど互角に近い成績を残しており、今回は立場は違えども二冠に向けての大きなチャンスと捉えていることだろう。王将リーグでは後半追い上げて4勝2敗で挑戦権をゲット。深浦は現在一番力が出る時期で相当自信を持っているに違いない。対して羽生は竜王戦で渡辺に3連勝後の4連敗を喫してしまうなど調子のほうはいま一つか。しかし、タイトル戦に出続けるリズムはもう長年経験しているのでちょっとしたきっかけで本来の力を発揮してくるはず。

戦型のほうは、羽生が相手に絞らせないようにいろいろな作戦を工夫するため予想は難しい。二日制のタイトル戦ではお互いに居飛車を基軸として力比べをすると予想する。棋譜を並べてみると、深浦の先手で角換わり腰掛銀の同型に進む。最近の羽生はこの形の後手を持つことが多いと記事にある。この同型の仕掛けはタイトル戦でも何度も現れているが未だに結論が出ていない。棋士のなかでは先手を持ちたい派と後手を持ちたい派にはっきり分かれている。丸山や深浦は先手派で羽生や渡辺が後手派といったところ。自分も昔大会で先手を持ってこの形を目指すことが多かったが、定跡通りに仕掛けても最後は終盤力で勝負が決まるという印象が強い。

局面は前例のある形で進んでいる。当然両者とも研究範囲である。最近流行の▲2六飛型の何らかの結論が出るかもしれない。封じ手の局面は▲3三歩成と歩を成ったところ。後手の応手は三つ。形良く△同銀は▲8二歩から先手が一方的に攻めることができる。△同桂は▲3四歩がある。すると消去法で△同金だろうか。これには▲4五桂と跳ねる手がある。明日はおそらくどちらか暖めた新手を出すことだろう。でもそれで勝負が決まるわけではない。終盤のねじりあいが見ものである。