第51期王位戦第六局は広瀬が勝ち、新王位誕生2010/09/06 22:55

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王位戦第六局から少し経ってしまったが、広瀬が千日手指し直し局を制してタイトル戦初登場で奪取という快挙を成し遂げた。第五局、第六局はいずれも千日手指し直しとなったが、集中力を切らさずにいずれも終盤の捻り合いを競り勝った。その投了図(上図)を見ても激闘の跡が伺える。広瀬の勝因は徹底的に得意戦法の振り飛車穴熊で押し切ったこと。これが若さの勢いというものなのだろう。初めてのタイトル戦挑戦での栄冠というのは最近ではあまり記憶にない。細かく調べたわけではないが、丸山の名人獲得以来となれば10年ぶりのこととなる。これまでタイトル戦は羽生世代とその少し下の世代が中心で20代では渡辺が孤軍奮闘していたが、ようやく若手が風穴を開けた。振り返るとリーグ戦、挑戦者決定戦、タイトル戦とあれよあれよという間に勝ち進んでいった。

将棋界には他にも20代の有望な若手がひしめいている。しかしタイトル戦は山崎が王座戦登場したくらいで挑戦者になるのが大変だ。永世竜王の渡辺でさえ他のタイトル戦に出ることができず苦しんでいる。そのなかでどうして広瀬がトップ棋士を連破してタイトルを取ることができたのか。得意戦法の振り穴が大きな原動力になったのは間違いない。しかし、なんといっても穴熊戦での終盤力の強さであろう。千日手局も封じ手のあたりは玉形が乱れて後手が不利と思えたが、なんだかんだと勝負形にし、最後はクリンチに持ち込んだ格好だ。指し直し局は広瀬の振り穴に対して深浦の銀冠となったが終盤が実にスリリングであった。深浦が底力を発揮して一時逆転かと思われたが、広瀬が1分将棋のなか正確な読みで乗り切ったのは驚くしかない。第五局、第六局と4局分を指して、力で深浦をねじ伏せた感が強い。

広瀬新王位の誕生で将棋界は新時代に突入したといってもいい。この流れに乗ってさらに20代のタイトルホルダーが出てくるか。40歳を迎えようという羽生世代が壁となって立ちはだかるのか、今後の展開も目が離せない。次のタイトル戦は渡辺vs羽生の重量級対決となる。今期調子の上がらない渡辺が最強の挑戦者を迎えて踏ん張れるか、再びフィーバーになりそうな予感がする。