将棋界の年の瀬は重要な対局が目白押し2008/12/15 22:50

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竜王戦もゴールに差し掛かっている。17日から注目の第七局が始まるのだが運命の巡り会わせか、タイトル戦の合間に朝日杯将棋オープン戦で羽生と渡辺の両主役が激突した。渡辺は午前中の1局目では後手番でゴキゲン中飛車を採用。これまで九割がた二手目△8四歩を堅持してきただけに少々意外な感じがする。タイトル戦直前に後手番の手の内を見せたくない。秒読み必至の朝日杯では序盤の細かい応酬で勝敗が決することはないので終盤勝負と考えた。渡辺の目論見はだいたいこんな所だろう。結果は自信を取り戻した終盤の指しまわしで快勝。不戦勝で勝ち上がった羽生と竜王戦最終局の前哨戦となった。この結果は微妙に竜王戦にも影響するに違いない。

こういう短時間の早指しの場合に、先後や戦型は勝敗にそれほど大きな影響はない。羽生は一手損角換わり模様から一転して角道を止める趣向に出る。意識的に渡辺の序盤研究を外した感じがする。結局後手は角交換を甘受して銀冠に構える。これもよくある展開の力戦形だ。その後は渡辺の猛攻が続く。持ち時間の短い将棋で一方的に攻められてはさすがの羽生も受けきることが困難である。渡辺優勢で進んでいったが羽生は執念で遮二無二入玉を果たす。しかし渡辺は慌てることなく駒得を重ねて心憎いばかりに優勢を拡大する。しかし羽生の頑張りはもの凄く、結局183手という長手数で渡辺勝ちとなったが、羽生はタイトル戦を見据えて簡単には楽にさせないという四五段時代の粘りを見せた。

本日は女流名人位戦の挑戦者決定戦もネット中継されていた。リーグ戦の本割では清水が里見を破ってプレーオフに持ち込んだ。里見もここを突破できるかどうか、今後に向けて大きな試金石となる。結果は清水が丁寧な指し回して粘る里見を振り切った。清水は現在女流王将を持っているがタイトル戦の休止により来年の11月以降自動的に無冠になってしまう。女流の新旧トップ対決はまだ旧のほうに一日の長があったようだ。

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