ノストラダムス・ライブラリーが公開された2007/05/01 23:28

http://www.propheties.it/bibliotheque/index.html
マリオのサイト Prophecies On Line の新しいプロジェクトとして、今までメンバー以外に非公開だったノストラダムス・ライブラリーのデジタルデータをアップしたページがオープンした。(4/22)まだページ自体はなんの飾りつけもない、データをアップしただけであるが、そのボリュームはものすごい。ぜひとも一度上のページにアクセスしてみてほしい。マリオとグループで収集した文献のデジタルデータはノストラダムス研究において貴重なソースとなる。ただし、今回は無料での公開ということもあり、画像の質を落とし、さらに著作権表示も入れ込んでいるのでテクスト自体は読みにくいかもしれない。

よりきれいな画像を見てみたい方は一定の費用を支払えばメンバー登録をすることで閲覧することができる。それにしてもこれだけの文献収集、膨大な画像のスキャンを見ると、いかにマリオが精力的に仕事をしてきたか、その苦労がうかがい知れる。文献は1539年の暦書のソース文献から1905年に出版された「1563年向けアルマナ」の復刻まで5つの時代に区分して保管されている。ただし書誌データは併記されていないので文献の背景を知りたい方はビブリオテク・ノストラダムスのサイトを参照するといい。閲覧は画像一枚をクリックすると右のフレームに拡大して表示されるしくみになっている。まとめてダウンロードはちょっと難しいかもしれないが、まあ雰囲気だけでも味わってみてほしい。

実はビブリオテク・ノストラダムスのメンバーは以前と比べて人数が減っている。マリオの文献の購入ペースに追いつかない人もいるかもしれない。しかし、せっかくのデジタルデータがプライベートなメンバーだけとはもったいない。関心のあるかたは参加してみてはいかが。

名人戦第三局が始まった2007/05/07 23:38

http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/shougi/index.html
ゴールデン・ウィークが終わった。その間ここを更新できなかったがアクセスしてくれた方もいたようで申し訳ない。今年は亡父の一周忌の法事があり、札幌に帰っていた。3月から何かと準備に追われていたがなんとか無事に終わってホッとしている。後は参列した人に集合写真を送るのが残っている。結構強行日程だったのでまだまだ疲れが残っている感じもする。

休みが終わって通常の生活に戻ったとたんに名人戦が始まった。例のごとく有料サイトの棋譜は見ることができないが、棋譜アップロードによれば郷田が3手目に▲7五歩と突いて相振り飛車になっている。いくら2連勝しているからって先手で振り飛車はないだろう。その意図を測りかねるが郷田らしく正々堂々と居飛車でいってほしかった。逆に森内はチャンスボールをもらったといっていい。果たしてこうした不定形の相振り飛車は先手の得が生きるのだろうか。もちろん力で来いといった戦形なので強いほうが勝つものなのだが。

指し掛けの局面を見ると先手が美濃囲い、後手は蟹囲いの珍形。封じ手は△6四歩くらいか。後手としてはこのままの玉形では強い戦いができない。できれば矢倉まで組上げたいところ。逆に先手は囲いに進展性がないため早めに攻めの形を作って仕掛けたい感じ。森内はここは絶対に落とせない。崖っぷちでどんな指し回しを見せるか、二日目も注目である。

名人戦第三局は森内が勝って1勝2敗に2007/05/08 23:54

http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/shougi/index.html
本日名人戦第三局の二日目が行われ、後手の森内名人が勝って1勝2敗となった。昨日予想した△6四歩は外れ、△2四歩が封じ手でこれは2筋を攻める狙いだ。もう少し玉形を整えてから押さえ込みに行くかと思いきや△6四銀と使って先手の攻めを封じようとした。その後の森内の構想が秀逸だったらしく38手目の△7三金から△8四金と自らの囲いを崩す手、54手目△3四金と金が上ずる手、一見すると筋悪の手が先手の攻めを押さえ込む好判断だった。先手は石田流から▲7七桂と活用したもののそれ以上攻めがなく手損を繰り返し、最後に暴発して飛車を切ってしまった。

結局、これが無理攻めとなって後手が良くなり、森内が得意の手堅い展開に持ち込んで最後は大差となった。結果的には郷田の序盤の構想が拙かったともいえるが、ここは森内の強靭な受けの布陣で指せるとみた大局観を褒めるべきであろう。うまくチャンスボールをモノにしたといえる。それにしても郷田の作戦はちょっと不可解。自分のスタイルを貫くのが郷田流であったはずなのだが敢えて慣れない戦形で自滅したのはタイトル奪取を考えると非常にもったいない。郷田は次は後手番なのでこれでほとんどイーブンになったと見ていい。

いったいどうして郷田がこうした作戦を選択したのか、毎日の観戦記で確かめてみたいと思う。

渡辺竜王が棋聖戦の挑戦者に決まった2007/05/09 23:46

http://www.sankei.co.jp/shogi/shogi.htm
本日棋聖戦の挑戦者決定戦が行われ、先手の渡辺竜王が後手の久保八段を短手数で破り、初めての棋聖挑戦を決めた。棋譜は産経のWebで見ることができる。帰宅しパソコンに電源を入れて棋譜を並べてみると、戦形はなんとゴキゲン中飛車の超急戦の形になっていた。挑戦者決定戦という大事な一戦でもう少しじっくりした将棋になるかと思いきや、一転して研究しているほうが勝つという感じの激戦になった。最近購入した、勝又清和著『最新戦法の話』の133頁にまったく同じ形が載っている。そういえば森内-谷川の名人戦でも同じ形が出現したから実際のところいい勝負なんだろう。

29手目の▲8二銀までが基本図でその後の展開はまだどちらが有利なのか評価が定まっていない段階という。渡辺にしても久保にしてもこの局面自体に自信を持っているからこそ選択したはず。この戦形の入口となる7手目▲5八金を渡辺は何度か採用している。ひょっとすると暖めていた研究手があったのかもしれない。筆者の棋力では甚だ怪しいが久保の42手目△5八香成がまずかったのではないか。▲6三香成以下は長手数だが後手玉は詰んでいる。果たして久保はうっかりしたのだろうか。そして渡辺は狙っていたのだろうか。

久々にタイトル挑戦者に名乗りを挙げた渡辺は、竜王戦に引き続き永世棋聖の佐藤と再び戦うこととなった。果たして二冠目に手が届くだろうか。

アンサイクロペディアのノストラダムス2007/05/10 22:58

http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%83%8E%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%B9
たまたま当ブログのアクセス解析を見ていたらリンク元に「ノストラダムス」の検索ページがあり、ウィキペディアならぬアンサイクロペディアのノストラダムスの項を読んで思わず抱腹絶倒してしまった。かつて日本で出版されたノストラダムス本に書かれているトンデモない話をつなぎ合わせた見事なパロディである。自称ノストラダムスファンとしてはトンデモ・ノストラダムスの集大成の傑作と太鼓判を押してもいい。改めて見るといかに日本でいい加減な情報が垂れ流しにされていたかよくわかる。ノストラダムスといってもいろんな料理の仕方があるものである。

そのなかでちょっと気になる文章があった。

"1550年からはフランス国王アンリ2世に仕えることができたが、面と向かって「陛下は10年後に死にます」と予言した。"

もちろんこれは五島勉著『ノストラダムスの大予言』に記されているフィクションのパロディである。史実を調べればすぐにわかるような与太話は五島氏だけと思っていたがどうも先人がいたようだ。昭和46年初版の子供向けの本『世界のなぞ世界のふしぎ』188頁には、ノストラダムスが1548年にアンリ二世が41歳のときに決闘をして盲目になって死にます、と予言したとある。アンリ二世が崩御したのは1559年だから若干誤差はあるが十年後に死にますという話のルーツがここにあった可能性が高い。

こうして見ると五島氏の『ノストラダムスの大予言』自体がそれまで日本で記事になっていた乏しい情報のトンデモない部分を継ぎ合わせた「八百科事典」といえるかもしれない。