1697年ジャン・ヴィレ版ノストラダムス予言集2007/03/01 23:17

http://biblionostra.ath.cx/1600.html
ビブリオテク・ノストラダムスに1697年版予言集がアップされているのに気づきダウンロードした。保存状態もいいようでカラーの画像が素晴らしい。この標本にもリュゾ・ライブラリーの蔵書マークがついており、マリオが買い取ったものだろう。もともとProphecies on Lineには予言集第二部と六行詩集の画像が公開されていた。この版本にはノストラダムスの肖像版画(図版25)が載っている。予言集は、セザールへの序文、百詩篇一巻から十巻、6-100はラテン語詩、七巻は43番と44番を含む、アンリ二世への書簡、十巻に101番、セヴの書簡、六行詩集、十一巻と十二巻の補遺詩―からなる構成である。

さらにページをめくると最後の部分に1697年4月22日付の予言集再版の「許諾」がヴァジネイの署名でなされている。その下にはデュリューの署名で印刷業者に対する国王の代理人の「認可」が同年同日に行われたとある。今まで見た17世紀の予言集にはこんな細かい認可に関する情報はなかったので出版業界にちょっとした変化が起きたのかもしれない。この版本は結構な部数が印刷されたようで古本のサイトにも出回っている。
http://www.abebooks.co.uk/servlet/BookDetailsPL?bi=866064203&searchurl=sts%3Dt%26kn%3Dnostradamus%2Bpropheties%2B1697%26sortby%3D3

日本円にすると12万6千円で、それプラス送料となり、あまりにも高すぎる。この版本で10万を超える価値があるのかなぁ。以前紹介したオークションのサイトにもノストラダムス予言集が出品されている。
http://www.swanngalleries.com/scripts/schedule2.cgi?type=schedule
これを見ると評価額が200ドルから300ドル。日本円に直すと、ざっと23,200円から34800円、まあこれくらいなら妥当なところだ。とはいえ一部の好事家しか関心がないだろうから割と簡単に落札できるかもしれない。このサイトのAuction Scheduleには、4月23日午前10時半からノストラダムスの初期の版本のオークションがあると書かれている。オリジナルまでは手が届かないだろうが、せめて20ドルのカタログくらいは入手しておこうかな。

A級順位戦が終了、降級は深浦八段2007/03/03 23:19

http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/shougi/
昨日A級順位戦の最終局が行われた。すでに名人戦挑戦が決まっている郷田は降級の可能性のある元名人の丸山。結果は丸山の勝ち。さらに降級の懸かった久保と深浦も勝ち、順位の差で深浦が無念の降級となった。最終結果を見ると4勝5敗が6人という大激戦だった。なかでも特筆されるのは久保の終盤の踏ん張りだ。6回戦までに1勝5敗、残り3局に羽生と佐藤の対局を残し、ほぼ絶望と見られていただけに奇跡的ともいえる残留劇だった。郷田との対局で時間切れ反則を主張した執念が、最後の最後に実ったといえよう。

それにしても現在のA級メンバーは皆しぶとい。B級1組から昇級した棋士が残留するのは至難の業である。他のクラスと異なり、たった一つの負け越しで陥落してしまう、そんな厳しさが降級争いにも十分な商品価値を与えている。が、実力者の深浦の降級は本当に残念で仕方がない。通算勝率から見てもA級棋士として定着できるだけの実績がある。例年A級順位戦の降級争いは展開によるにせよ、今回は最終局勝っても降級というのは不運としかいいようがない。是非1期でA級への返り咲きを果たしてもらいたいものだ。

来期のB級1組には渡辺竜王が上がってくるが、幸い総当りなのでまず確実に強いものが昇級するはずだ。来期の深浦に注目したい。

久しぶりにノストラダムスの洋書を注文した その12007/03/05 22:53

最近はあまり洋書の注文をしていなかったのでインターネット上(abebooks)で関心のありそうな本を選んで頼んでみた。タイトルと内容の要約を読んだだけでは本当に価値がある本か、よくわからない。当然ながら当たり外れがあるのはしょうがない。

1) The Story of Prophecy in the Life of Mankind, Henry James Forman
今や古典的な予言解説本といえるフォアマンの著作。リプリントは以前入手していたがオリジナルに近いものが見たかった。(特に内容に変わりはなかった)初版は1936年で今回購入したのは1940年発行のもの。サブタイトルに「ノストラダムスの神託の完全な分析を含む」とある。9章と10章がノストラダムスに関する解説で黒沼氏のノストラダムス予言解釈のベースとなった海外文献といえる。ノストラダムス以外にも様々な予言または神託を扱っている。

2) Nostradamus La Tercera Inundacion La Invasion Arab, Daniel Ruzo
ダニエル・リュゾの最後の著作。母国語であるスペイン語で書かれている。1989年に発行された本「第三の洪水、アラブのヨーロッパ侵略か」の再版と思われる。序文を息子あるいは孫のカローラ・ド・リュゾが書いており、彼の自筆のサインが見える。イオネスクによればリュゾは1991年頃に亡くなったようだ。3頁に80歳を超えると見られる老人の写真が載っているが、恐らくこれがリュゾ本人で何か感慨深い。内容は一般書と同様の予言解釈本のようだが原文はすべて古版本の原文をコピーしている。この本では1989年のベルリンの壁の崩壊がどれほど衝撃的であったか伺われる。

王将戦第六局が始まる2007/03/06 23:24

http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/shougi/
羽生王将に佐藤棋聖が挑戦する王将戦もすでに第六局。前回カド番をしのいだ佐藤がさらに踏ん張ってタイに持ち込めるか。それとも羽生が防衛を決めるのか、興味深い対局が始まった。先手は羽生で作戦は四間飛車の藤井システム。最近はあまり見ないような気がするので何か新鮮な感じもする。三手目に▲1六歩と端の歩を突いたのは佐藤の趣向を封じる狙いがあったと思われる。これに対して佐藤は△5五角から急戦策を取った。羽生の工夫は▲5六金と角を封じ込めるだけではなく後手の玉頭も抑える役割を担っている。反面玉が薄いので今後の構想力が問われる。

ネットの記事によれば佐藤は夕食の会食を断り自室で食事を取ったらしい。これは異例のことではないか。この一局にかける佐藤の意気込みを感じさせるエピソードではある。さて封じ手の局面だが羽生がようやく美濃囲いに玉を収めて後手がどう指すかといったところ。予想としては△1二香が有力と見る。1歩取らせてもゆっくり穴熊に囲って様子を見たいところ。しかし先手も▲3六歩から▲2六角といった動く手もあり微妙な感じもある。勝負どころはまだ先だろうが、羽生は本当に藤井システムをよく研究しており本家よりも指し方がうまいと思う。

二日目の展開も注目だ。終盤の捻りあいを期待したい。

王将戦第六局は佐藤が勝って最終局へ2007/03/07 22:38

http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/shougi/index.html
仕事から帰ってネット中継を見てみると千日手で指し直しになっていたのには驚いた。封じ手の△1二香は予想通り。しかしその後の展開は思いもかけないものだった。角を7七に据えて後手玉を睨むと佐藤の△6五銀から銀交換、羽生が玉頭に銀を打ち付けて一気に千日手のルートに入ってしまった。羽生は同一手順、ノータイムだったというから早い段階でやむなしと思っていたのだろう。佐藤も玉の周辺だけにわかりやすく食いつかれてはいけないのでしょうがない。

指し直し局も羽生は振り飛車、対する佐藤は得意の居飛車穴熊に囲う。後手が序盤から飛車をぶつけて積極的に動いていったが思ったほどの戦果が得られなかったようだ。そして一番ビックリした手は78手目の△5一玉。解説を見ないとはっきりとはいえないがこの手がは敗着ではないか。以後は変化の余地なく佐藤の寄せが決まった。これで3勝3敗のタイとなり前期に続いて最終局にもつれ込んだ。終盤連勝した勢いで今年は佐藤が雪辱を果たすのだろうか、それとも羽生が底力を発揮するのだろうか。

本日は朝日オープンの挑戦者決定戦もネット中継されていた。
http://www.asahi.com/shougi/open25/070307.html
今期好調の阿久津五段が鈴木八段を破り、初の番勝負への進出を決めた。この将棋もパソコンで並べてみたが序盤の30手目の△8六歩が機敏で飛車角交換してからはずっと後手阿久津の模様が良さそう。しかし持ち時間が3時間のこの棋戦は終盤秒読みになるのが必至でドラマも起りやすい。終盤は鈴木のほうにもチャンスがあったのではないか。123手目の▲5四龍はどうだったのか。▲6八飛のほうが頑張れたような気もするが・・・
阿久津の挑戦は渡辺に続く新しいヒーローの誕生を期待させる。ぜひとも羽生に対して力を出し切ってほしいものだ。