歴史のプロヴァンス誌のノストラダムス論文2016/12/15 23:23



何の気なしにWikipediaのノストラダムスの記事の参考文献を眺めていたら、Provence Historique(歴史のプロヴァンス誌)に掲載されたユージェヌ・レーのノストラダムス論文にリンクが張られているのに気付いた。試しに" Aperçu d'un fragment de la correspondance de Michel de Nostredame"(ミシェル・ド・ノートルダムの往復書簡の断章の概要)をクリックすると、読み込むのに少々時間はかかったがProvence Historiqueのサイトで公開されているpdfに直リンクされていた。レーやエドガー・ルロワがプロヴァンスの専門誌に発表した論文は貴重な情報を提供してくれるのだが一般の読者にはなかなかアクセスは難しかった。

1950年から2006年のバックナンバーをWebサイト上で無料公開してくれるのは本当にありがたい。ノストラダムス関連でダウンロードできるpdfは以下の6つの論文である。いずれも伝記研究において重要な文献である。

いま振り返ってみると、1941年のルロワの論文(ノストラダムスの出自)を皮切りに、1960年代というのはノストラダムスの伝記に関する実証的な論文がルロワやレーによって精力的に発表された黄金期であった。それまでの通俗的な伝記のなか伝説にまみれたノストラダムス像を一次資料のアーカイブで実証的に見直したのは画期的なことである。しかし地元の専門誌に発表されたためになかなか入手が困難だった。精力的に膨大な資料を収集して1961年にノストラダムス研究書を刊行した米国のエドガー・レオニにしても1941年のルロワの論文に直接アクセスできていない。

最近ではオンライン書店の古書で流通していればマウスのクリック一つで入手可能である。上の(1)から(4)についてはプロヴァンス・イストリックの該当号が手元にある。ダウンロードできる論文のpdfファイルはOCRでテキスト認識できるため簡単に文章を抽出してGoogle翻訳にかけることもできる。幸いルロワのノストラダムス研究は1972年に一冊の本にまとめられたが個別の論文は地元のマイナーな専門誌に発表されているので未だに参照できていないものもある。他にもこういった形でアクセスできるようになればと切に思う。なんども繰り返すようだが本当に夢のような時代になったものだ。


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