予言はどこまで当たるのか2012/10/06 22:16

http://www42.atwiki.jp/nostradamus/pages/1883.html
ここ数年は忙しさにかまけてブログの更新も滞っていたが、それでも毎日何人かの方にアクセスしていただいているのはありがたく思う。さて、上のノストラダムスの大事典の記事にもあるように、このたびsumaruさんの初の著書となる『検証 予言はどこまで当たるのか』が出版された。ASIOS、菊池氏と共著である。本の帯には古代から現代までの主要な予言を取り上げて徹底検証したとある。そのなかでノストラダムスをテーマにした部分とマラキの予言に関して執筆したのがsumaruさんだ。これまでもインターネット上でノストラダムスの確かな情報をずっと発信し続けてきたし、そのレベルは海外の研究者と比べても決して引けを取らない。そうした点から見ても今回の執筆はまさに満を持しての登場といえるだろう。

購入したばかりでまだ通読していないが、取り急ぎノストラダムスの項をざっと読んでみた。この本の共通スタイルは、これまで予言について流布されてきた、さまざまな「伝説」を整理することから始まる。それに対して「真相」でその伝説の核心に迫るという、推理小説の謎解きのような趣である。ノストラダムスは「第2章 世界の予言者」に組み込まれているが、6項目のうち4項目が割り当てられており、他の予言と比べると破格の扱いだ。1999年のブームが去って13年になるが、ノストラダムスのネームバリューもまだまだ捨てたものではないということか。ノストラダムスについての「真相」は、これまでウィキペディアやご自身のウェブサイトで発表されたものを一般読者向けに整理した感が強いが、それでも読みごたえは十分である。

中身についていろいろと細かく見ていきたいところであるが、今はその時間も取れないので、少しずつ読み込んでいくなかで紹介できたらと考えている。ただ本文のなかでわざわざ自分に対しての御礼を特記していただいたのには大変恐縮している。ノストラダムス関連の本で、まさか自分の名前が出るとは思ってもみなかったので正直驚いている。もちろん老舗のノストラダムスファンであるのは自認しているが、sumaruさんには程遠い素人談義なのでこんなに丁寧な謝意をいただくのは気恥ずかしい限りである。自分以外はさして気にする人もないのだろうけれども。私が昔地元サロンのシェイネ氏と話した、アジャンの骨のこともうまく取り込まれていたのはちょっと嬉しい。

全般的に、これまでいわれてきた怪しげな伝説のベールが見事に剥ぎ取られ、実証的な研究テーマとしての土俵にあがったことの意義は大きい。ノストラダムスの項は参考文献も豊富で、相当な労力を払って検証した跡がうかがえる。しかし本文では細かく注釈を入れるのが煩わしいためか、どの文献を参照した情報なのか読み取ることができない(自分はだいたいわかるのだが)。編集部の方針であえて一般読者向けに書き換えたためであろうことは想像に難くない。もしこの本をきっかけにノストラダムスの上級者を目指す方がおられるのであれば「ノストラダムスの大事典」を精読していただきたい。

来週の月曜日から欧州への海外出張を予定している。時間はたっぷりあるので行きの飛行機のなかで本書を手にゆっくりと味わってみたい。

コメント

_ sumaru ― 2012/10/08 11:20

海外出張を控えたお忙しい中でコメントありがとうございます。

>6項目のうち4項目が割り当てられており、他の予言と比べると破格の扱いだ。

 これについてはブログのほうでも触れましたが、打ち合わせのときの皆神さんのご発言によるところが大きいのかな、と思います。そのときにはノストラダムス関連は予言絵画など最近話題のものだけに絞るという案も出ていたくらいですから。

>ノストラダムスについての「真相」は、これまでウィキペディアやご自身のウェブサイトで発表されたものを一般読者向けに整理した感が強いが、それでも読みごたえは十分である。

 おっしゃるとおり、「基本的なところから説き起こす」というリクエストがあったので、結構使いまわしたネタがあります(^^;
 ウィキペディアとの重複については、「ウィキペディアからの丸写しだ」みたいな筋違いな批判を受けないように、プレゼンの仕方にそれなりに配慮はしましたが。

>本文では細かく注釈を入れるのが煩わしいためか、どの文献を参照した情報なのか読み取ることができない

 この点はASIOSの従来の著書とスタイルを合わせたということもありますし、ひとつでも多くのネタを入れたいという字数との戦いだったせいでもあります(^^;


 謝辞につきましては、春先にピションの書名を教えていただいたということもありましたし、例の大間違いを踏みとどまらせていただいたということもありますので、入れて当然だったと思います。 それらにつきましては改めて御礼申し上げます。

_ 新戦法 ― 2012/10/10 11:46

sumaruさん、

こちらへのコメントありがとうございます。

> そのときにはノストラダムス関連は予言絵画など最近話題のものだけに絞るという案も出ていたくらいですから。

最近話題とはいっても、その浸透度がどの程度のものなのか疑問なところもありますから、最終的に「基本的なところから」の情報が盛り込まれたことは良かったと思います。ノストラダムスの項に限って言えば、対象となる読者はこれまでのブームの洗礼を受けた世代になろうかと思います。

最後のブームでノストラダムスに関心を持った年代もおそらく成人しているでしょうから、あのブームは何だったのだろう、本当のところはどうだったんだろうと、改めてノストラダムスに関する基本的な情報を読みたいといったニーズがあるかもしれません。本が売れるといいですね。(^^;

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