『ムー』と五島勉のノストラダムス ― 2010/07/11 00:39
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/nostradamuszakkicho
ノストラダムス雑記帳のブログで紹介されているように2010年8月号の『ムー』(No.357)に五島勉氏が登場している。ご自身の写真が2枚掲載されており、その風貌は世の終わりを警告する怪しげな使徒のイメージである。氏は1929年生まれであるから今年81歳。しばらく鳴りをひそめていたが近刊『未来ミロクの指は何を指しているか』を上梓して、まだまだご健在のようである。この本も取りあえず入手しておいたが未だ読み終えていない。五島氏といえばノストラダムスをオカルト界のトップスターに押し上げた張本人であるが、1999年の最後のブームから10年が過ぎて『ノストラダムスの大予言』シリーズも書店から一掃されてしまった。今では覚えている人も少ないかもしれない。そんな五島氏がどうして今頃になって『ムー』に登場したのだろう。『ムー』もよっぽどネタに困っているのだろうか。
記事のタイトルは緊急警告レポート「ノストラダムスの大予言は的中していた!!」、君島氏が上記の新刊書をベースに五島氏に取材したという構成である。副題に「第一人者五島勉が「1999年7の月」の真相を直言!!」とある。五島氏は2002年の『イスラムVS.アメリカ「終わりなき戦い」の秘予言』(青春出版社)で、1999年の予言と9.11のテロをエリカ・チータムの解釈をこじつけながら強引に結び付けている。新刊の内容もほぼこれの焼き直しといってもよく、取り立てて新たな解釈が紹介されているわけではない。そもそもチータムは1973年の著書で、百詩篇10-72の解釈としてテロを取り上げてはいない。注釈にはミレニアムの世界終末を予見したものとあり、見出しにも第三のアンテクリストの戦争とし、4-50や10-74,75を参照とあるだけ。五島氏が主張しているように特に1-87の詩と結び付けているわけではない。
こういう意識的な事実誤認は五島氏の十八番であるが、ノストラダムス雑記帳の「五島勉『ノストラダムスの大予言』シリーズへのツッコミ 」でも指摘されており、当然『ムー』の編集部だってこれを知らないはずはない。それなのに今になってわざわざこれを蒸し返すというのは厚顔無恥以外の何ものでもない。さらにこれが来月号に続くというから驚きである。『ムー』が五島氏をライターとして起用したのは、自分が知る限り一度しかない。それも1981年5月号というはるか昔のことで、当時の五島氏の新刊『ノストラダムスの大予言Ⅲ』の宣伝広告のようなものだけだ。何故今頃五島勉、という疑問は尽きないが、今回も同じような著書の宣伝記事というのは、『ムー』という雑誌が30年近く経ってもその編集方針に変わりがない、というのは確かなようである。
ノストラダムス雑記帳のブログで紹介されているように2010年8月号の『ムー』(No.357)に五島勉氏が登場している。ご自身の写真が2枚掲載されており、その風貌は世の終わりを警告する怪しげな使徒のイメージである。氏は1929年生まれであるから今年81歳。しばらく鳴りをひそめていたが近刊『未来ミロクの指は何を指しているか』を上梓して、まだまだご健在のようである。この本も取りあえず入手しておいたが未だ読み終えていない。五島氏といえばノストラダムスをオカルト界のトップスターに押し上げた張本人であるが、1999年の最後のブームから10年が過ぎて『ノストラダムスの大予言』シリーズも書店から一掃されてしまった。今では覚えている人も少ないかもしれない。そんな五島氏がどうして今頃になって『ムー』に登場したのだろう。『ムー』もよっぽどネタに困っているのだろうか。
記事のタイトルは緊急警告レポート「ノストラダムスの大予言は的中していた!!」、君島氏が上記の新刊書をベースに五島氏に取材したという構成である。副題に「第一人者五島勉が「1999年7の月」の真相を直言!!」とある。五島氏は2002年の『イスラムVS.アメリカ「終わりなき戦い」の秘予言』(青春出版社)で、1999年の予言と9.11のテロをエリカ・チータムの解釈をこじつけながら強引に結び付けている。新刊の内容もほぼこれの焼き直しといってもよく、取り立てて新たな解釈が紹介されているわけではない。そもそもチータムは1973年の著書で、百詩篇10-72の解釈としてテロを取り上げてはいない。注釈にはミレニアムの世界終末を予見したものとあり、見出しにも第三のアンテクリストの戦争とし、4-50や10-74,75を参照とあるだけ。五島氏が主張しているように特に1-87の詩と結び付けているわけではない。
こういう意識的な事実誤認は五島氏の十八番であるが、ノストラダムス雑記帳の「五島勉『ノストラダムスの大予言』シリーズへのツッコミ 」でも指摘されており、当然『ムー』の編集部だってこれを知らないはずはない。それなのに今になってわざわざこれを蒸し返すというのは厚顔無恥以外の何ものでもない。さらにこれが来月号に続くというから驚きである。『ムー』が五島氏をライターとして起用したのは、自分が知る限り一度しかない。それも1981年5月号というはるか昔のことで、当時の五島氏の新刊『ノストラダムスの大予言Ⅲ』の宣伝広告のようなものだけだ。何故今頃五島勉、という疑問は尽きないが、今回も同じような著書の宣伝記事というのは、『ムー』という雑誌が30年近く経ってもその編集方針に変わりがない、というのは確かなようである。
コメント
_ sumaru ― 2010/07/11 13:10
_ 新戦法 ― 2010/07/15 00:15
sumaruさん、
> 私も発売日にチェックしましたが、新ネタ0の記事のいったいどこが「緊急警告」なんだかと思ってしまいました。
確かに記事の中身は新味に乏しいのですが、なんと言っても伝説の人五島氏本人を引っ張り出したというのが一番の主眼だったのではないでしょうか。
> いやまあ、私のサイトはマイナーですから知らなかったとしても不思議はないですが、hayatoさんなんかは2001年の時点でテロと訳したのはチータムが初めてなんてことはないとはっきり指摘していましたしね。
sumaruさんやhayatoさんのサイトを知らないということはないでしょう。少なくともムー編集部もネット上でネタ探しをしているはずでしょうし。ノストラダムスに関する記事を真剣に書こうとするならば一番に参照すべきサイトですから。
今更ノストラダムスに関する正確な情報を伝えるといっても『ムー』という雑誌のキャラには合わないし、おそらく読者もそれを求めていない。ネット上で読める情報ですから。となると怪しげなソースでもまあ面白ければいいかという安直な方針のもと編集をしているとしか思えませんね。(^^;
> 私も発売日にチェックしましたが、新ネタ0の記事のいったいどこが「緊急警告」なんだかと思ってしまいました。
確かに記事の中身は新味に乏しいのですが、なんと言っても伝説の人五島氏本人を引っ張り出したというのが一番の主眼だったのではないでしょうか。
> いやまあ、私のサイトはマイナーですから知らなかったとしても不思議はないですが、hayatoさんなんかは2001年の時点でテロと訳したのはチータムが初めてなんてことはないとはっきり指摘していましたしね。
sumaruさんやhayatoさんのサイトを知らないということはないでしょう。少なくともムー編集部もネット上でネタ探しをしているはずでしょうし。ノストラダムスに関する記事を真剣に書こうとするならば一番に参照すべきサイトですから。
今更ノストラダムスに関する正確な情報を伝えるといっても『ムー』という雑誌のキャラには合わないし、おそらく読者もそれを求めていない。ネット上で読める情報ですから。となると怪しげなソースでもまあ面白ければいいかという安直な方針のもと編集をしているとしか思えませんね。(^^;
_ 匿名 ― 2011/01/19 13:35
…まだ生きていたんですか。とっくに暗殺されたものとばかり思っていましたが。MMRと共に、人民裁判にかけるべきだと思います。
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チータムを「主婦作家」と規定しているのも主婦業の傍らちょっと本を書いただけ、みたいな印象操作をしようとしているようでどうかと思いました。それが事実だったらどうしてニューヨークタイムズに訃報が載ったのか、と。
そういう貶めの感情が入っていないというのなら、ぜひ君島氏には五島氏のことを「主夫作家」とか呼んであげてほしいものですが(笑)
>それも1981年5月号というはるか昔のことで、
今回の記事の冒頭でもそれに触れられていて、自分の認識間違いに気付きました。初めてではなかったのですね。
>ノストラダムス雑記帳の「五島勉『ノストラダムスの大予言』シリーズへのツッコミ 」でも指摘されており、当然『ムー』の編集部だってこれを知らないはずはない。
いやまあ、私のサイトはマイナーですから知らなかったとしても不思議はないですが、hayatoさんなんかは2001年の時点でテロと訳したのはチータムが初めてなんてことはないとはっきり指摘していましたしね。
それでどうして(いくら商売とはいえ)今さらあんな説明に乗っかるのかという気はします。