ネアンデルタールと現代人 ― 2008/09/14 23:58
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4166600559.html
河合信和 ネアンデルタールと現代人―ヒトの500万年史 文芸春秋 1999年 を読んだ。少し前に『人類史のなかの定住革命』という本を紹介したが、今度は年代をもっと遡ってヒトのそもそもの祖先はいつ頃どこに出現したのか、そこに焦点を移した本を手に取った。生物学にいえば人間は言うまでもなく動物に分類される。古人類学では、かつて地上に現れた人類ホミニド(ヒト科)は17種いたといわれる。そのなかで現在はホモ・サピエンス1種以外のヒトは残っていない。他のホミニドは絶滅してしまったらしい。昔の教科書では、木の上で生活していた原人(ピテカントロプス)が地上に降りてきて直立二足歩行するネアンデルタール人が段々と現代人に近づいていった。ざっくりいってそんな感じではなかったか。
ところが本書によればネアンデルタール人は我々の祖先ではないらしい。その根拠となったのが分子生物学でのミトコンドリアDNAであるという。遺伝子本体のDNAの変化率からどのくらい時間が掛ったか逆算すると正確に時を測ることができる。そうした証拠から現代人(ホモ・サピエンス)の起源が20万年ほど前のアフリカにあったのは間違いないらしい。最初のヒト属が現れたのが250万年前、人類(猿人?)誕生が500万年前ということになる。そしてヒトは初めてアフリカを出てアジアに移り住む。(第一次アウト・オブ・アフリカ)アフリカで進化したホモ・サピエンスが世界中に版図を広げていったが、他の人類種は最終的に絶滅してしまう。(第二次アウト・オブ・アフリカ)
化石が見つかるたびに研究者が勝手に命名してヒト属の種類が増えていったというが、こればかりは自分の研究の手柄にしょうと論文発表するのだからやむを得ない。真実に近いところに落ち着くためには少し時間が必要となろう。本書が出てからすでに10年ほど経っている。さらに新しい研究成果も現れていることだろう。機会があれば本書の内容の続編となる本を読んでみたいと思う。
河合信和 ネアンデルタールと現代人―ヒトの500万年史 文芸春秋 1999年 を読んだ。少し前に『人類史のなかの定住革命』という本を紹介したが、今度は年代をもっと遡ってヒトのそもそもの祖先はいつ頃どこに出現したのか、そこに焦点を移した本を手に取った。生物学にいえば人間は言うまでもなく動物に分類される。古人類学では、かつて地上に現れた人類ホミニド(ヒト科)は17種いたといわれる。そのなかで現在はホモ・サピエンス1種以外のヒトは残っていない。他のホミニドは絶滅してしまったらしい。昔の教科書では、木の上で生活していた原人(ピテカントロプス)が地上に降りてきて直立二足歩行するネアンデルタール人が段々と現代人に近づいていった。ざっくりいってそんな感じではなかったか。
ところが本書によればネアンデルタール人は我々の祖先ではないらしい。その根拠となったのが分子生物学でのミトコンドリアDNAであるという。遺伝子本体のDNAの変化率からどのくらい時間が掛ったか逆算すると正確に時を測ることができる。そうした証拠から現代人(ホモ・サピエンス)の起源が20万年ほど前のアフリカにあったのは間違いないらしい。最初のヒト属が現れたのが250万年前、人類(猿人?)誕生が500万年前ということになる。そしてヒトは初めてアフリカを出てアジアに移り住む。(第一次アウト・オブ・アフリカ)アフリカで進化したホモ・サピエンスが世界中に版図を広げていったが、他の人類種は最終的に絶滅してしまう。(第二次アウト・オブ・アフリカ)
化石が見つかるたびに研究者が勝手に命名してヒト属の種類が増えていったというが、こればかりは自分の研究の手柄にしょうと論文発表するのだからやむを得ない。真実に近いところに落ち着くためには少し時間が必要となろう。本書が出てからすでに10年ほど経っている。さらに新しい研究成果も現れていることだろう。機会があれば本書の内容の続編となる本を読んでみたいと思う。
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