図解 第三帝国2008/09/08 23:57

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森瀬 繚/司 史生 図解 第三帝国 新紀元社 2008年 を購入してみた。本の帯には興味を知識に変えるF-Filesシリーズとある。本書はそのNo.15で、ナチスドイツの組織と歴史が図解でわかる!と銘打っている。本を開くと、5章に分かれていて各テーマごとに見開きのページになっている。左のページには見出し、要約、説明文、右のページにはグラフやチャート、写真を挿入して関連事項の単純化した意味付けを行っている。そして最後に関連項目として見出しとナンバーを参照させる。決して専門的なナチ論ではなく、アニメやヒーローもの好きが初めてナチスを読む際の理解の助けとなる内容である。

試しに本のカバーをはずしてみると第三帝国と深く結びついた架空の組織のリストがずらり並んでいる。そのトップに来るのが仮面ライダーのショッカー、また宇宙戦艦ヤマトのガミラス帝国なども第三帝国がイメージされている。なるほど今日のヒーローの敵役の組織のスタイルは第三帝国をモチーフにしたものが多いというのもうなづける。テレビ番組などフィクションを見る子供たちは無意識のうちに悪役=ナチと刷り込まれてしまうに違いない。入門編としての本書のまとめ方はなかなかユニークであり、各テーマに関してプレゼンテーションを受けているような錯覚さえ感じる。

第5章 第三帝国の伝説には少々怪しげな話題が取り上げられている。そのなかでNo.096 第三帝国と占星術の項にノストラダムスの名前が見出される。チャートを見ると、クラフトが連合国に対して予言詩を偽造して散布したのに対抗してウォールも偽造予言詩を散布したことになっている。コラムには「ノストラダムスの『百詩篇』」が載っているが特に目新しい記事はない。入門書ということもあり、内容は他の関連書の切り張りを丁寧に整理したものでしかない。ノストラダムスについてテーマごとにこうした整理を行うのも面白いかもしれない。