ヴァールブルク学派2008/08/30 23:28

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4582238343.html
松枝到編 ヴァ-ルブルク学派―文化科学の革新 平凡社 1998年 を読んだ。美術史家のアビ・ヴァールブルクに関する諸論文のアンソロジーといった体裁である。正直言ってその内容は専門的で難解、読みこなすのは大変である。ヴァールブルクは膨大な書物を蒐集していたがその文献類は今日ロンドン大学付属ウォーバーク図書館の蔵書になっている。本書の資料編には「Ⅰ 紀要目次(1921/22-1966年)」、「Ⅱ 紀要執筆者名順総目次(1921/22-1966年)」「Ⅲ 紀要主題別索引(1921/22-1966年)」と続く。さすがにノストラダムスを主題にした論文は見当たらないが予言の個別の主題に関するものなら数多く見出すことができる。

ヴァールブルクの著作で手元にあるのはちくま学芸文庫の『異教的ルネサンス』である。そのなかの「ルター時代の言葉と図像に見る異教的=古代的予言」はノストラダムス予言集のコンテクストを探る上で非常に参考になる。そこで気になるのはこうしたルネサンス期の予言に関する資料が蔵書のなかでどのように分類されているかである。ざっと目を通してみると図書館の4階の科学史の分野に関連テーマが挙がっている。ノストラダムスに関連のありそうなのは予知、終末論、占星術と天文学の歴史、宇宙観の歴史であろうか。予知の項目には怪物、彗星、日食、地震、卜占、手相占い。骨相学、夢、水晶占い、水占い・・・がある。

このテーマ分けは岩波の『ノストラダムス予言集』とオーバーラップしている。蔵書の分類を見ているだけでも様々なイマジネーションをかき立ててくれる。

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