王位戦第四局は後手一手損角換わりになった ― 2008/08/07 02:07

http://event.nishinippon.co.jp/shogi/oui/49oui/
最近はタイトル戦のネット中継も棋譜だけではなくいろいろな工夫がされている。今回も羽生と深浦のインタビューが動画で流れている。毎回同じようなことを聞かれるので対局者も心得たものだろう。こうしたコンテンツが普通に配信されるのもこれまで閉鎖的だった将棋界が新しいデジタル化時代を迎えたと実感できる。対局の実況もリアルタイムで中継されているし、対局者の一挙一動が見られるのはファンにとってありがたい。しかし対局者が対局以外に気をまわすことも多くなったわけでその負担も大きいのではと察する。
深浦の2勝1敗で迎えた第四局は羽生が序盤早々角交換したことで流行の後手一手損角換わりになった。この一手損することで完全な同一局面というのがまだサンプルが少ないのでお互い未知の領域となる。序盤のポイントは後手が1筋の端歩を受けるか、受けた場合先手が早繰り銀か腰掛け銀かといったところ。本譜は早繰り銀に対して後手が4筋に飛車を回り反発力を秘めた形で迎え撃つ。しかし冷静に局面を見ると金が2筋に張り付いた状態で玉形も後手が弱い。主眼点は攻勢を取ることにあるのだが先手のほうが勝ちやすい形であるのは間違いない。羽生がなぜこの作戦を採ったのか謎である。
封じ手の局面は後手が積極的に仕掛けて銀交換を狙ったところ。平凡に▲4六同銀△同飛は飛車が移動すると王手飛車のラインに入るので先手がつまらない感じがする。反撃するならば▲4三歩から▲3二角の筋か。あるいはひねって▲6八銀とかわす手も考えられる。後手はここでポイントを挙げられないと苦しくなる。明日の羽生の指し回しが楽しみである。
最近はタイトル戦のネット中継も棋譜だけではなくいろいろな工夫がされている。今回も羽生と深浦のインタビューが動画で流れている。毎回同じようなことを聞かれるので対局者も心得たものだろう。こうしたコンテンツが普通に配信されるのもこれまで閉鎖的だった将棋界が新しいデジタル化時代を迎えたと実感できる。対局の実況もリアルタイムで中継されているし、対局者の一挙一動が見られるのはファンにとってありがたい。しかし対局者が対局以外に気をまわすことも多くなったわけでその負担も大きいのではと察する。
深浦の2勝1敗で迎えた第四局は羽生が序盤早々角交換したことで流行の後手一手損角換わりになった。この一手損することで完全な同一局面というのがまだサンプルが少ないのでお互い未知の領域となる。序盤のポイントは後手が1筋の端歩を受けるか、受けた場合先手が早繰り銀か腰掛け銀かといったところ。本譜は早繰り銀に対して後手が4筋に飛車を回り反発力を秘めた形で迎え撃つ。しかし冷静に局面を見ると金が2筋に張り付いた状態で玉形も後手が弱い。主眼点は攻勢を取ることにあるのだが先手のほうが勝ちやすい形であるのは間違いない。羽生がなぜこの作戦を採ったのか謎である。
封じ手の局面は後手が積極的に仕掛けて銀交換を狙ったところ。平凡に▲4六同銀△同飛は飛車が移動すると王手飛車のラインに入るので先手がつまらない感じがする。反撃するならば▲4三歩から▲3二角の筋か。あるいはひねって▲6八銀とかわす手も考えられる。後手はここでポイントを挙げられないと苦しくなる。明日の羽生の指し回しが楽しみである。
王位戦第四局は深浦の快勝で防衛が見えた ― 2008/08/07 23:16

http://event.nishinippon.co.jp/shogi/oui/49oui/
深浦のなんともド派手な一着が勝因となった。帰宅して上のサイトにアクセスしてみるとすでに深浦勝ちが報じられていた。貴重な3勝目を挙げて防衛まであと1勝と迫った。この一局を振り返ってみると、たとえ相手が羽生だろうが自分の読みに絶対の自信を持って指している。深浦の充実ぶりが目立ったといえる。4筋の折衝がひと段落ついてまだまだ中盤のねじりあいが続くと思われたが何の掛りもないところに銀を打ち込むとは・・・飛車を打ち込むための銀捨て、すごい手があったものだ。この手を境に先手持ちの形勢に傾いていく。しかし羽生も怪しげな手で粘りに粘る。最後は羽生の粘りを振り切って深浦が堅実な寄せを見せた。
69手目▲9二銀の強手で流れをつかみ深浦の積極さがいい面に出たといえる。封じ手は反撃の▲4三歩。なお昨日の読みで▲6八銀右引もあるかと書いたが、この手には△3七銀成で飛車取りと△4九飛成がある。単純な見落としだったので訂正しておく。歩を打つと48手目△5七銀成までは一本道。そのあとの細かい馬の動きが読みの入った好手のようである。少し先手が指せるかと思ったが羽生も簡単には土俵を割らない。79手目▲4七角から▲2九香と打って桂香を拾ったのが平凡そうに見えるが着実な一手。先手陣は堅いのであわてる必要はない。手駒を増やして敵玉に迫るのがもっとも早い勝ち方といえる。110手目の△9五桂が粘りを欠いた手か。負けても△5六馬と角を取るべきではないか。只で取れそうな角が王手で逃げては勝負あった。
結局後手一手損角換わりに対する先手の早繰り銀で後手の玉形の弱さが祟ったといえる。羽生といえども勝ちづらい後手を持っては少々旗色が悪かったようだ。後がなくなった羽生は奪取するためにはもう3連勝しかない。次の先手番は確実にキープしたい。そして後手番の第六局目が勝負局と見る。
深浦のなんともド派手な一着が勝因となった。帰宅して上のサイトにアクセスしてみるとすでに深浦勝ちが報じられていた。貴重な3勝目を挙げて防衛まであと1勝と迫った。この一局を振り返ってみると、たとえ相手が羽生だろうが自分の読みに絶対の自信を持って指している。深浦の充実ぶりが目立ったといえる。4筋の折衝がひと段落ついてまだまだ中盤のねじりあいが続くと思われたが何の掛りもないところに銀を打ち込むとは・・・飛車を打ち込むための銀捨て、すごい手があったものだ。この手を境に先手持ちの形勢に傾いていく。しかし羽生も怪しげな手で粘りに粘る。最後は羽生の粘りを振り切って深浦が堅実な寄せを見せた。
69手目▲9二銀の強手で流れをつかみ深浦の積極さがいい面に出たといえる。封じ手は反撃の▲4三歩。なお昨日の読みで▲6八銀右引もあるかと書いたが、この手には△3七銀成で飛車取りと△4九飛成がある。単純な見落としだったので訂正しておく。歩を打つと48手目△5七銀成までは一本道。そのあとの細かい馬の動きが読みの入った好手のようである。少し先手が指せるかと思ったが羽生も簡単には土俵を割らない。79手目▲4七角から▲2九香と打って桂香を拾ったのが平凡そうに見えるが着実な一手。先手陣は堅いのであわてる必要はない。手駒を増やして敵玉に迫るのがもっとも早い勝ち方といえる。110手目の△9五桂が粘りを欠いた手か。負けても△5六馬と角を取るべきではないか。只で取れそうな角が王手で逃げては勝負あった。
結局後手一手損角換わりに対する先手の早繰り銀で後手の玉形の弱さが祟ったといえる。羽生といえども勝ちづらい後手を持っては少々旗色が悪かったようだ。後がなくなった羽生は奪取するためにはもう3連勝しかない。次の先手番は確実にキープしたい。そして後手番の第六局目が勝負局と見る。
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