戦慄!! 世界の大予言 その22008/06/23 22:58

昨日に引き続いて学研ムックの話。「ノストラダムスの予言」の項のサブタイトルに「世界を震撼させた大予言者」とある。通俗的な本でノストラダムスを扱う場合に1999年について触れないわけにはいかない。この本では、ノストラダムスが3797年まで予言していることから、これが世界の終わりを示すものではないと言及しているのみ。読者にしてみれば「じゃあ、あの詩は何だったの?」といささか消化不良を起こしそう。それじゃ、他に未来のことを語った予言はあるのだろうか。そんな期待に添えるように欄外に「ノストラダムスによる未来予言」を年表形式で掲載している。解釈のもととなる原詩のナンバーは付いていない。その年号はどこから来たものか。

本の最後に載っている「主な参考文献」を見ても、特にノストラダムスのみをテーマとしたものはない。そこで乏しい記憶を頼りに手元のノストラダムス本をひも解いてみると、タネ本らしきのが見つかった。2012年スコットランドが島と化す、はシャトランの『極秘暗号』207頁、同じく2048年北極、南極の氷が溶け、大洪水が発生する、は同書216頁が引用元。2203年太陽の引力が減少する、はディムデの『全警告』231頁、3064年の彗星が太陽に衝突というのは同書242頁の3072年彗星が月に衝突というのに近い。2025年中国がロシアとスカンジナビアを吸収する、は難しいが『メッセージⅡ』のイオネスク解釈と重なるところがある。

遠未来に関しては単に読者に異変のイマジネーションを喚起させているに過ぎない。まあほとんど実害はないだろう。解釈本からインパクトのあるものを切り貼りして持ってくるのはいいとして、やはり予言集の章番号くらいは載せておくべきではないか。そうしないと「ノストラダムスによる」という看板が泣いているように思えてくる。