ル・ペルティエ「ノストラダムスの神託」の復刻本が届いた ― 2007/10/23 23:55

1976年、ジャン・ボノがアナトール・ル・ペルティエの「ノストラダムスの神託」二巻本を復刻している。最近ようやく手元に届いた。本自体の装丁は非常に凝っていて表表紙と裏表紙には悪魔が長剣で人間を突き刺している恐ろしげなレリーフが丁寧に施されている。背表紙には天球儀と天の川の星が金字で彫りこまれている。中を開いてみると様々な木版画(ゲオルギウス・アグリコラのDe Re Metallicaなど)が挿入されており、各ページの頭の部分にも版画が置かれている。ざっと見て本の作りもしっかりしているし、あたかも聖書でも読むかのような雰囲気が醸し出されている。内容はもちろん1867年に出されたアナトール・ル・ペルティエのテクストである。
ただし第一巻の末尾には、セルジュ・ユタンによる現代から2000年の事件という四行詩の注釈が70頁ほど収録されている。さらに現代の関連書といった文献書誌もあり現代の読者への便宜を図っている。もともと手元に1995年スラトキン版の復刻本があったが、こちらはオリジナルのテクストを忠実に再生したファクシミリ版である。ボノの編纂したものは明らかにテクストを組み替えているのでページ数も一致していない。段落の最初のアルファベットを太字にしているなどの特長がある。随分と立派な造りの本であるが、よく見ると重大な誤植があるのに気がついた。
第二巻で、本来アンリ二世の書簡の前にくるはずのセクションⅡの表紙の代わりにセクションⅢ「1605年再版の補遺詩」が来てしまっている。もっとひどいものは巻末の目次にあるセクションⅡのタイトルに「ピエール・リゴーのテクスト(リヨン、1556)」とあることだ。もちろんペルティエのオリジナル版では1566年になっている。今日指摘されているようにこの版自体は偽年代であることが判明しているが、この本を受け入れた研究者が1556年テクスト発見!なんて勘違いしないか少々心配である。
ただし第一巻の末尾には、セルジュ・ユタンによる現代から2000年の事件という四行詩の注釈が70頁ほど収録されている。さらに現代の関連書といった文献書誌もあり現代の読者への便宜を図っている。もともと手元に1995年スラトキン版の復刻本があったが、こちらはオリジナルのテクストを忠実に再生したファクシミリ版である。ボノの編纂したものは明らかにテクストを組み替えているのでページ数も一致していない。段落の最初のアルファベットを太字にしているなどの特長がある。随分と立派な造りの本であるが、よく見ると重大な誤植があるのに気がついた。
第二巻で、本来アンリ二世の書簡の前にくるはずのセクションⅡの表紙の代わりにセクションⅢ「1605年再版の補遺詩」が来てしまっている。もっとひどいものは巻末の目次にあるセクションⅡのタイトルに「ピエール・リゴーのテクスト(リヨン、1556)」とあることだ。もちろんペルティエのオリジナル版では1566年になっている。今日指摘されているようにこの版自体は偽年代であることが判明しているが、この本を受け入れた研究者が1556年テクスト発見!なんて勘違いしないか少々心配である。
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