Shinsenpou World Blog

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4820716506.html
佐藤義典　図解 実戦マーケティング戦略　日本能率協会マネジメントセンター 　2005　を読んだ。ビジネスの実戦に使えるいろいろなツールを著者の経験に基づいて紹介している。実例を挙げながらわかりやすく解説されているので実際のビジネスにうまく応用できる感じがする。マーケティングの導入において戦略と戦術という言葉がよく出てくる。将棋で言えば戦略とは序盤作戦、どういった戦法を選択するかだ。当然ベータベースや自身の棋風を参考に勝ちやすいと判断される戦法を選ぶことが肝要となる。戦術とはその局面での判断と読みの力、終盤でいうと詰むかどうかを読み切る力に相当する。

この著者は戦略とはビジネスにおける「目的に対しての行動の最適化」と定義し、数値目標と日常業務とのカスケードが重要とみる。そのツールとしてBASiCSを提言している。言っていることは個々に見れば至極当たり前のことなのだが実際のビジネスではなかなか論理だった分析ができないことも多く袋小路に迷ってしまう。一番の最後のSはセリング・メッセージ（売り文句）だがこの本の冒頭に「企業に2日間・百万円で行うセミナーの内容をほぼ書き下ろしています」なんて非常に魅惑的な宣伝文句を掲げている。思わずニヤリとしてしまった。

その他にもマインドフローやニーズの広さ深さとか売上5原則など確かに実戦に応用がきくツールは参考になる。著者の自信の表れであろうか巻末にツール一覧を載せてコピーを推奨している。ビジネスも将棋と同様に「守・破・離」が大切である。型を守る段階、型を破る段階、そして型から離れる段階。マーケティングの極意は他業種の成功例をうまく応用して取り入れること。愚者は自らの経験にのみ学び、賢者は他者の経験（歴史）にも学ぶというフレーズを最近読んだが、まさに我が意を得たりだ。この著者の理論は下記のサイトで読むことができる。

http://www.sandt.co.jp/index.htm