ノストラダムス、ザ・グッド・ニュース2007/10/06 23:53

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/booksea.cgi?ISBN=1905857187
今週は木、金と松山に出張で帰宅した時にはすでに夜中の十二時をまわっていた。宅配ロッカーを覗いてみると紀伊国屋ブックウェブで注文してあった最新刊のノストラダムス本が二冊届いていた。そのうちの一冊がMario Reading, Nostradamus The Good News, Watkins, 2007。もう一冊はイアン・ウィルソンの再版のペーパーバックである。こちらは2002年に出版されたNostradamus The evidence のソフトカバーの改訂版。2007年版の序文と末尾に追記があり細かくみると本文もわずかながら修正されている。この本はノストラダムスの実証的な研究書の英語版として高い評価を受けている。

それとは対照的にマリオ・リーディングは2006年にも同じような装丁でNostradamus The Complete Prophecies for The Future (ノストラダムス、未来に対する完全予言)を同じ出版社から出していて今回のザ・グッド・ニュースはその続編といえる。単純に訳せば「良い知らせ」だが辞書を引くと「とっておきの話」の意もある。本のタイトルからしてわかるようにマリオ・リーディングは信奉者(ビリーバー)である。前回の著作では予言詩に基づいて2001年から7074年までの遠大な未来史を描いた。ノストラダムスの予言集には21世紀以降の年代は明記されておらず、あくまで著者の主観的な解釈でしかない。

新刊本は過去の伝統的な解釈を年代順に並べており、原詩、英訳、解説、要旨といった構成になっている。近未来については2006年から2089年までわずかにふれているのみ。最近では実証的な研究が主流となっていてノストラダムスの予言から未来のシナリオを描くといった本は肩身が狭くなっている。そのなかでも手堅くまとめた本といえるだろう。ノストラダムスの予言から未来を読み取りたいという読者のニーズも未だに残っているのかもしれない。