ノストラダムス師の予言集(1557年)の記事を読んで ― 2007/08/02 23:49

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
ウィキペディアの「ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)」の記事を読んだ。1555年版同様ノストラダムス雑記帳のsumaruさんが執筆したものだ。特定の版に特化した記事に盛り込む内容がそんなにあるのかなとも思っていたが、相変わらずの豊富な資料の読み込み、整理された構成、記述の正確さ等中身の濃いノストラダムス論は読み応えがある。記事にあるように1557年版予言集は当初海賊版と見られた11月3日版しか知られていなかった。
そもそも1840年に刊行されたバレートの著書で1555年版、1558年版、1566年版、1568年版の言及があるが1557年予言集については認識されていない。筆者が初めて1557年版予言集に関して読んだのは、おなじみのエドガー・レオニの研究書のなかである。レオニはモスクワのレーニン図書館のコピーを転写している。1920年のユージュン・パーカーの博士論文の書誌にも1557年版の言及があるが、1913年のクリンコヴシュトレムの書誌に基づいた情報であろう。レオニは1557年版予言集を入手しようと手を尽くしたがすんなりいかなかったようである。
脚注によれば著書の印刷にかかった時にやっとマイクロフィルムが届いたという。それでもテクスト自体に明らかな誤植も多く粗雑な版であることが確認された。それからもう40年以上も過ぎた。ウィキペディアの記事にもあるようにファクシミリ版が出版され、今ではインターネット上で画像を閲覧できる。ただユトレヒト標本については公刊されたファクシミリ版はないようである。
ウィキペディアの「ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)」の記事を読んだ。1555年版同様ノストラダムス雑記帳のsumaruさんが執筆したものだ。特定の版に特化した記事に盛り込む内容がそんなにあるのかなとも思っていたが、相変わらずの豊富な資料の読み込み、整理された構成、記述の正確さ等中身の濃いノストラダムス論は読み応えがある。記事にあるように1557年版予言集は当初海賊版と見られた11月3日版しか知られていなかった。
そもそも1840年に刊行されたバレートの著書で1555年版、1558年版、1566年版、1568年版の言及があるが1557年予言集については認識されていない。筆者が初めて1557年版予言集に関して読んだのは、おなじみのエドガー・レオニの研究書のなかである。レオニはモスクワのレーニン図書館のコピーを転写している。1920年のユージュン・パーカーの博士論文の書誌にも1557年版の言及があるが、1913年のクリンコヴシュトレムの書誌に基づいた情報であろう。レオニは1557年版予言集を入手しようと手を尽くしたがすんなりいかなかったようである。
脚注によれば著書の印刷にかかった時にやっとマイクロフィルムが届いたという。それでもテクスト自体に明らかな誤植も多く粗雑な版であることが確認された。それからもう40年以上も過ぎた。ウィキペディアの記事にもあるようにファクシミリ版が出版され、今ではインターネット上で画像を閲覧できる。ただユトレヒト標本については公刊されたファクシミリ版はないようである。
コメント
_ sumaru ― 2007/08/06 22:09
_ 新戦法 ― 2007/08/07 22:52
コメントありがとうございます。詩番号の件はあまり気にしないでください。自分自身も初版本のアラビア数字にどういった意味が見出せるか、確たる考えはまとまっていません。
画像の出典元ですか。フフフ、さすがにいいところを突っ込んできますね。モスクワのロシア国立図書館所蔵(書物博物館)でロシアのペンゼンスキィ氏が入手したものです。ウェブ上では現在リンクが切れているようです。
画像の出典元ですか。フフフ、さすがにいいところを突っ込んできますね。モスクワのロシア国立図書館所蔵(書物博物館)でロシアのペンゼンスキィ氏が入手したものです。ウェブ上では現在リンクが切れているようです。
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_ ノストラダムス雑記帳(ブログ版) - 2007/08/09 20:41
http://asakura.asablo.jp/blog/2007/08/02/1698351
新戦法氏のブログでロシア国立図書館(Russian State Library)所蔵の1557年版のタイトルページの画像が紹介されていました。どこの蔵書なのか気になっていたので、教えて下さった新戦法氏には、この場...
新戦法氏のブログでロシア国立図書館(Russian State Library)所蔵の1557年版のタイトルページの画像が紹介されていました。どこの蔵書なのか気になっていたので、教えて下さった新戦法氏には、この場...
記事には、詩番号の話はちょっとあまりうまく取り込めませんでしたが…。
ところで、掲げられている1557年版のコピーはどこからとったものでしょうか。ハンガリーのものともミュンヘンにあったものとも違うようですが、モスクワのものでしょうか。
このコピーを載せている文献に心当たりがありませんでしたので、気になりました。厚かましいようですが、御教示いただければ幸いです。