名人戦第三局は森内が勝って1勝2敗に2007/05/08 23:54

http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/shougi/index.html
本日名人戦第三局の二日目が行われ、後手の森内名人が勝って1勝2敗となった。昨日予想した△6四歩は外れ、△2四歩が封じ手でこれは2筋を攻める狙いだ。もう少し玉形を整えてから押さえ込みに行くかと思いきや△6四銀と使って先手の攻めを封じようとした。その後の森内の構想が秀逸だったらしく38手目の△7三金から△8四金と自らの囲いを崩す手、54手目△3四金と金が上ずる手、一見すると筋悪の手が先手の攻めを押さえ込む好判断だった。先手は石田流から▲7七桂と活用したもののそれ以上攻めがなく手損を繰り返し、最後に暴発して飛車を切ってしまった。

結局、これが無理攻めとなって後手が良くなり、森内が得意の手堅い展開に持ち込んで最後は大差となった。結果的には郷田の序盤の構想が拙かったともいえるが、ここは森内の強靭な受けの布陣で指せるとみた大局観を褒めるべきであろう。うまくチャンスボールをモノにしたといえる。それにしても郷田の作戦はちょっと不可解。自分のスタイルを貫くのが郷田流であったはずなのだが敢えて慣れない戦形で自滅したのはタイトル奪取を考えると非常にもったいない。郷田は次は後手番なのでこれでほとんどイーブンになったと見ていい。

いったいどうして郷田がこうした作戦を選択したのか、毎日の観戦記で確かめてみたいと思う。