第51期王位戦第2局は深浦が勝って1-1のタイに ― 2010/07/29 00:06

http://live.shogi.or.jp/oui/index.html
深浦の秘策が見事に当たったといっていい勝利だろう。秘策といっても特に目新しい作戦というわけではない。昔指されたが今はあまり採用されないクラシックな戦法なのである。振り飛車穴熊は江戸時代にその原型が見られるが、プロ棋界においては玉頭位取りの対抗策として現れた。ところが今や居飛車穴熊が大いに幅を利かせており、玉形が同じ穴熊ならば飛車先の歩を突いている分居飛車がいいというのが定説となっている。その相穴熊戦の戦い方で独特の感性を武器に勝ちまくっていたのが振り穴王子なのである。特に穴熊という玉形に対する形の明るさと切れ味鋭い終盤力が広瀬の武器である。渡辺、羽生を撃破し、深浦も相穴熊で2連敗を喫している。相手の土俵での戦いを避けたい、そこで選択したのが▲6六角戦法である。
実戦的には玉形が薄いので相当な力がないと勝ち切るまでが大変だが、逆に持ち時間の多いタイトル戦ではじっくりと力を出せる作戦なのである。おそらく広瀬は経験値が少ないはずだ。その差が結果に現れたというのはあまりに早急な結論すぎるかもしれない。相穴熊戦を避けたことで新鮮な将棋が見れて、非常にコクのある戦いだったと思う。封じ手は△3五歩で予想はハズレ。しかし、これを▲3五同飛と取ったのが意外である。広瀬の感想にもあるように振り飛車から60手目△5六歩のクサビを先手で打てるのは大きい。しかし当然先手は角を切って穴熊を直撃する端を攻める。69手目▲3四桂と打ったところでは先手の端攻めが成功したように見える。それでも広瀬は手を変え品を変え次々と勝負手を繰り出してくる。
91手目▲8七歩と急所の桂馬を外しにいったのが決め手だろうか。この桂を取り切られてしまうと後手の攻めが細くなってしまう。本譜もそんな展開になってしまった。深浦は薄い玉形ながら相手との間合いを見切って受けるべきところでは受けて、そして攻めたりと緩急を自在に使い分け終盤手堅く寄せ切った。広瀬もよく粘ったが追い上げも及ばなかった。これでお互いに先手番をブレイクしてタイとなった。次は広瀬が先手番、再度の振り穴の投入があるのだろうか。それとも他の戦法を用いるのか、興味は尽きない。
深浦の秘策が見事に当たったといっていい勝利だろう。秘策といっても特に目新しい作戦というわけではない。昔指されたが今はあまり採用されないクラシックな戦法なのである。振り飛車穴熊は江戸時代にその原型が見られるが、プロ棋界においては玉頭位取りの対抗策として現れた。ところが今や居飛車穴熊が大いに幅を利かせており、玉形が同じ穴熊ならば飛車先の歩を突いている分居飛車がいいというのが定説となっている。その相穴熊戦の戦い方で独特の感性を武器に勝ちまくっていたのが振り穴王子なのである。特に穴熊という玉形に対する形の明るさと切れ味鋭い終盤力が広瀬の武器である。渡辺、羽生を撃破し、深浦も相穴熊で2連敗を喫している。相手の土俵での戦いを避けたい、そこで選択したのが▲6六角戦法である。
実戦的には玉形が薄いので相当な力がないと勝ち切るまでが大変だが、逆に持ち時間の多いタイトル戦ではじっくりと力を出せる作戦なのである。おそらく広瀬は経験値が少ないはずだ。その差が結果に現れたというのはあまりに早急な結論すぎるかもしれない。相穴熊戦を避けたことで新鮮な将棋が見れて、非常にコクのある戦いだったと思う。封じ手は△3五歩で予想はハズレ。しかし、これを▲3五同飛と取ったのが意外である。広瀬の感想にもあるように振り飛車から60手目△5六歩のクサビを先手で打てるのは大きい。しかし当然先手は角を切って穴熊を直撃する端を攻める。69手目▲3四桂と打ったところでは先手の端攻めが成功したように見える。それでも広瀬は手を変え品を変え次々と勝負手を繰り出してくる。
91手目▲8七歩と急所の桂馬を外しにいったのが決め手だろうか。この桂を取り切られてしまうと後手の攻めが細くなってしまう。本譜もそんな展開になってしまった。深浦は薄い玉形ながら相手との間合いを見切って受けるべきところでは受けて、そして攻めたりと緩急を自在に使い分け終盤手堅く寄せ切った。広瀬もよく粘ったが追い上げも及ばなかった。これでお互いに先手番をブレイクしてタイとなった。次は広瀬が先手番、再度の振り穴の投入があるのだろうか。それとも他の戦法を用いるのか、興味は尽きない。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://asakura.asablo.jp/blog/2010/07/29/5254474/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。