21世紀超予言2010/02/22 23:52

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4594003869.html
広瀬 謙次郎 21世紀超予言―東アジア連邦への新時代 扶桑社 1988年12月20日 を読んだ。正確には読んだというよりも、10分程度でペラペラとページを捲って眺めていた。ブックオフで105円。著者の広瀬氏は霊夢によって未来を霊視したというがその予言はことごとく外れている。もっとも、この本は怖いもの見たさの未来の恐怖のアイテムを、いろいろな本からかき集め、著者の思想と融合させた予言イデオロギーと見なしてもいいだろう。広瀬氏の名前を初めて知ったのは、雑誌『ムー』の大予言ライブラリーのブックレビューである。当時は予言関連の読み物が少なかったこともあり、広瀬氏の『2037年への未来史』(早稲田出版、1981)も堂々とエントリーされていた。

どんな内容かと思い、入手してみようと手を尽くしたがすでに絶版になっていた。未だに手許にないが、スーパー源氏で検索すると、ブックマート十条銀座店に在庫があるようだ。その後フェニックス・ノア氏の一連の予言本を手掛けていた出版社より『2037年への大予言』(日新報道、1982)が刊行された。序文には1981年の本の再版と書かれているので内容的には同じであろう。その中で聖書、ノストラダムス、ケイシー、ディクソン夫人らの予言を取り上げているが、参照している文献は邦訳ばかりで正確さに欠ける。ノストラダムスの予言詩の訳文で五島氏とも大乗氏のものとも違っていたものがあり、広瀬氏が自分で訳したかと思っていたが、後になってノーバーゲンの訳本からの引用と知った。

広瀬氏は当時の予言本には珍しく参考文献を挙げている。ところが明らかに五島氏の本を参照している部分があるにも関わらず、五島氏の本はあえて無視している。これは『21世紀超予言』でも同じことが言える。これはいかなる理由によるものか。『2037年への大予言』29頁には面白いことが書いてある。

・・・この本(註:ノストラダムスの大予言)が世に出たのは、私に負うところがあるのだ。・・・すでに20数年もまえからノストラダムスの予言に注目し、各紙誌に文章を発表していた。そのうちの一つに、昭和48年7月発行の「キャット・クラブ」誌上にのせた「ノストラダムスの予言と西暦2000年前後の大異変」という小論文がある。この紹介文が、たまたま・・・祥伝社の編集者の知るところとなり、出版されることになったという経緯があるからだ。

五島氏の本以前に広瀬氏がノストラダムスについて書いた文章というのは知らない。参考文献に五島氏の本を挙げないのは自分のほうが本家という自負があったからだろうか。上の論文が実在するのなら、確かに同じ年の11月に『ノストラダムスの大予言』が出版されたことと時系列的には合うのだが・・・