第3回朝日杯将棋オープンは羽生が初優勝2010/02/13 23:34

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最近は右の奥歯がキリキリ痛むので近所の歯医者に通っている。なかなか平日には行けないので、今日も朝から一番のりで治療に出かけた。治療が始まって程なくして先生から親不知を抜いたほうがいいといわれ、そんなものかなと思いながらOKを出した。何十年と付き合ってきた自分の歯を抜くというのは実は大変なことと後で知った。歯の治療から戻って、朝日杯のウェブに接続すると、準決勝2局がすでに中盤戦に突入していた。谷川-羽生戦は後手のゴキゲン中飛車に先手の二枚銀戦法。佐藤和-久保戦は相穴熊で久保が居飛車穴熊側を持って指している。朝日杯は持ち時間が40分、秒読みになるとあっという間に局面が進むのでライブで見ていても臨場感がある。

昼過ぎに準決勝が終わり、決勝は久保-羽生という今戦っている王将戦と同じ顔合わせとなった。羽生はともかく久保はただ今絶好調といえる。ここは早指しであるし棋戦優勝を勝ち取りたかったところ。昼過ぎから親不知を抜いたところが痛み出した。頬に手を当ててみるとふっくらと腫れている。この痛さはこれまでに体験したことのない激痛、なんというか、本来そこにあるはずの歯を抜いたことで身体が拒否反応を起こしているかのようである。ネット中継を見ながらISOの規格の素案をまとめるのが本日の予定であったが、やぬを得ず薬を飲んで横になっていた。口のなかはまだ少し出血があり、固いものは噛めない状態。安易に親不知を抜くんじゃなかったと後悔しても後の祭り。もとに戻るのはしばらくかかるだろう。

夕方起きだして久保-羽生戦を観戦すると、すでに終盤戦に入っていた。戦型は先手久保のゴキゲン中飛車に対して羽生が居飛車穴熊模様、自分でも課題となっているテーマである。久保の指し手が注目されたが穴熊に潜り、▲5七銀を▲4六銀と使う。やはりこれが一番有力なのだろう。自分でも今度試してみたい。殆ど右辺だけのねじり合いに見えたが羽生は局面を広く見ている。62手目△8八歩は間合いを見切っていないと緩手になる恐れがあるので、なかなかさせない手である。久保に取り立てて悪手がないように思えるが羽生の指し手は正確無比。細かいところで正確に指してくる。解説によると、91手目▲1八玉が敗着。△1九金という格好いい手を食らっては万事休す。以下は秒読みにもかかわらず手堅い指し廻しで最後は即詰みに打ち取った。

まだまだ羽生強しを印象付ける快勝で朝日杯初優勝。持ち時間の短い将棋でも強い者が勝つ、そんな一局であった。久保にとってみれば羽生の牙城はなかなか崩せない。王将戦はリードしているだけに借りを返したいところだろう。夜中になってようやく歯の痛みも和らいできた。