ノストラダムス新世紀予言 ― 2010/02/01 23:15

http://www.amazon.com/Nostradamus-Manuscript-Unlocks-Secrets-Prophet/dp/0892819154/ref=pd_sim_b_2#noop
最近になって、2012年人類滅亡と結びつくことで、何かと話題を振りまいたノストラダムスの予言絵画。日本で最初に紹介されたのは、イタリア人オッタービオ・C・ラモッティの『ノストラダムス新世紀予言』(学研、1999年1月12日)のなかである。原著はイタリア語で"Scienza temporale e papi del futuro illustrati da Nostradamus"(ノストラダムスにより描かれた時間的科学と未来の教皇)、1995年にローマで出版された。早いものでそれから15年の月日が経っている。原著は手許にないが、英訳本である"The Nostradamus Code:The lost manuscript that unlocks the secrets of the master prophet, 1998"(ノストラダムスの暗号、最上の予言者の秘密の鍵を解き明かす失われた手稿)は参照できる。ハードカバーの167頁のコーヒーテーブルブックで、40-41頁の間に予言絵画のカラー写真が挿入されている。
2002年には"Nostradamus: The Lost Manuscript: The Code That Unlocks the Secrets of the Master Prophet"(ノストラダムス、失われた手稿:最上の予言者の秘密を解き明かす暗号)のペーパーバック版が出版されている。タイトルはどういうわけか微妙に言葉の入れ替えを行っているが、目次と頁割りが一緒なので内容も同じと見ていいだろう。邦訳書の冒頭にも同じマテリアルの予言絵画のカラーが置かれている。英訳本のものと比べると全体に赤みがかかっている。本の構成をチェックしたところ、邦訳では序論の部分がそっくりとカットされた。ここは予言絵画に関する重要な書誌情報が含まれているのだが、どうも予言解釈にウェイトを置いて編集されてしまった。手稿の1頁と2頁は絵画の表題の役割を果たしているが、83頁のあとがきと違う筆跡で書かれている。言及されている最後の教皇(アレクサンドル八世、1689-91)の時代の前に書かれたものでない。他にも大幅な省略が見られる。
ラテン語の手稿の内容について邦訳では取り上げられておらず、英訳本にはない「ノストラダムスの生涯」が北周一郎氏により書き下ろされている。あるいは四行詩の原文が巻末にまとめられているなど、大幅なアレンジが見られる。ラモッティはそれぞれの予言絵画に四行詩が対応していると述べている。テクストを見る限りでは1611年シュヴィヨ版予言集から取られたように思える。予言詩はもともと予言絵画に添えられたものではなく、ラモッティが後知恵で加えたものであろう。邦訳書の訳者あとがきに、ラモッティの『ノストラダムスの鍵』(原書は手許にある、画像参照)をぜひ翻訳出版したいとあるが、10年以上たっても未だに実現されていない。
最近になって、2012年人類滅亡と結びつくことで、何かと話題を振りまいたノストラダムスの予言絵画。日本で最初に紹介されたのは、イタリア人オッタービオ・C・ラモッティの『ノストラダムス新世紀予言』(学研、1999年1月12日)のなかである。原著はイタリア語で"Scienza temporale e papi del futuro illustrati da Nostradamus"(ノストラダムスにより描かれた時間的科学と未来の教皇)、1995年にローマで出版された。早いものでそれから15年の月日が経っている。原著は手許にないが、英訳本である"The Nostradamus Code:The lost manuscript that unlocks the secrets of the master prophet, 1998"(ノストラダムスの暗号、最上の予言者の秘密の鍵を解き明かす失われた手稿)は参照できる。ハードカバーの167頁のコーヒーテーブルブックで、40-41頁の間に予言絵画のカラー写真が挿入されている。
2002年には"Nostradamus: The Lost Manuscript: The Code That Unlocks the Secrets of the Master Prophet"(ノストラダムス、失われた手稿:最上の予言者の秘密を解き明かす暗号)のペーパーバック版が出版されている。タイトルはどういうわけか微妙に言葉の入れ替えを行っているが、目次と頁割りが一緒なので内容も同じと見ていいだろう。邦訳書の冒頭にも同じマテリアルの予言絵画のカラーが置かれている。英訳本のものと比べると全体に赤みがかかっている。本の構成をチェックしたところ、邦訳では序論の部分がそっくりとカットされた。ここは予言絵画に関する重要な書誌情報が含まれているのだが、どうも予言解釈にウェイトを置いて編集されてしまった。手稿の1頁と2頁は絵画の表題の役割を果たしているが、83頁のあとがきと違う筆跡で書かれている。言及されている最後の教皇(アレクサンドル八世、1689-91)の時代の前に書かれたものでない。他にも大幅な省略が見られる。
ラテン語の手稿の内容について邦訳では取り上げられておらず、英訳本にはない「ノストラダムスの生涯」が北周一郎氏により書き下ろされている。あるいは四行詩の原文が巻末にまとめられているなど、大幅なアレンジが見られる。ラモッティはそれぞれの予言絵画に四行詩が対応していると述べている。テクストを見る限りでは1611年シュヴィヨ版予言集から取られたように思える。予言詩はもともと予言絵画に添えられたものではなく、ラモッティが後知恵で加えたものであろう。邦訳書の訳者あとがきに、ラモッティの『ノストラダムスの鍵』(原書は手許にある、画像参照)をぜひ翻訳出版したいとあるが、10年以上たっても未だに実現されていない。
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