王将戦第四局は羽生が勝って2-2のタイに ― 2009/02/19 22:49

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終わってみると羽生の快勝だった。深浦としては不完全燃焼の一局といえるだろう。王将戦第四局は途中から形勢に差がついたせいもあって一見山場もないように受け取れる。深浦も持前の根性で粘ったが一方的に攻められるのは辛い。研究手の34手目△3五歩も実らなかった。結果論だが深浦の封じ手1手前の44手目△4二金寄が少々問題だったらしい。素人目には自然な手に映るがトッププロの将棋の恐ろしさがここにある。これで改めての3番勝負となったが、次の第五局はどちらがタイトルに王手をかけるか大きな勝負となる。
封じ手は予想が見事に外れて▲8八玉と、まずは玉の安定度を優先させた。角換わりの将棋では、玉が8八に入ると当たりに強くなるので、7九のまま戦うケースも多い。まして後手一手損が8五の歩留めに生きているのでいつでも△8五桂の跳ね出しがある。47手目▲6八金右まで先手玉は十分固くなった。先手は攻めが続く形になれば相当勝ちやすい。羽生は53手目▲2四銀と歩頭に放り込む鬼手を繰り出す。中盤戦においては派手な一手。角が2三の地点をにらんでいるのでその威力も強烈だ。本譜は後手も角を成り込んで反撃を狙うが、先手に気持ち良い手が続き、後手の6三の銀が中途半端なまま残ってしまった。
深浦はさぞかし不本意な一局だったと推察する。裏を返せば羽生の構想力の素晴らしさが存分に発揮されたといえる。封じ手付近の茫漠とした局面で確かな大局観により羽生だけ一歩先が見えていた。先の竜王戦第一局を思い起こす。終盤の読みの正確さは年とともに衰えるものだが、豊富な経験に裏付けされた卓越した構想力はさらに磨かれていくのだろう。
終わってみると羽生の快勝だった。深浦としては不完全燃焼の一局といえるだろう。王将戦第四局は途中から形勢に差がついたせいもあって一見山場もないように受け取れる。深浦も持前の根性で粘ったが一方的に攻められるのは辛い。研究手の34手目△3五歩も実らなかった。結果論だが深浦の封じ手1手前の44手目△4二金寄が少々問題だったらしい。素人目には自然な手に映るがトッププロの将棋の恐ろしさがここにある。これで改めての3番勝負となったが、次の第五局はどちらがタイトルに王手をかけるか大きな勝負となる。
封じ手は予想が見事に外れて▲8八玉と、まずは玉の安定度を優先させた。角換わりの将棋では、玉が8八に入ると当たりに強くなるので、7九のまま戦うケースも多い。まして後手一手損が8五の歩留めに生きているのでいつでも△8五桂の跳ね出しがある。47手目▲6八金右まで先手玉は十分固くなった。先手は攻めが続く形になれば相当勝ちやすい。羽生は53手目▲2四銀と歩頭に放り込む鬼手を繰り出す。中盤戦においては派手な一手。角が2三の地点をにらんでいるのでその威力も強烈だ。本譜は後手も角を成り込んで反撃を狙うが、先手に気持ち良い手が続き、後手の6三の銀が中途半端なまま残ってしまった。
深浦はさぞかし不本意な一局だったと推察する。裏を返せば羽生の構想力の素晴らしさが存分に発揮されたといえる。封じ手付近の茫漠とした局面で確かな大局観により羽生だけ一歩先が見えていた。先の竜王戦第一局を思い起こす。終盤の読みの正確さは年とともに衰えるものだが、豊富な経験に裏付けされた卓越した構想力はさらに磨かれていくのだろう。
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