将棋世界3月号は渡辺の永世竜王特集号2009/02/03 23:53

本日、将棋世界3月号が発売されるということで、仕事帰りに本屋に立ち寄り購入した。帰りの電車でざっと読んでみた。先の竜王戦第七局は異常なほどの盛り上がりを見せ、100年に一度の大勝負という声もある。今月号が永世竜王の資格を獲得した渡辺の特集号になっているのも当然であろう。すっかり定着してきたプレイバック2008でもこの第七局が圧倒的な支持で一位に推されている。渡辺のための将棋世界といっても過言ではない。記事は記者会見や週刊将棋のインタビューとさほど違いはない。そりゃ同じ人が同じテーマで話すのにあっちこっちでバラバラなことをいうと一貫性に欠けるから。

将棋世界のインタビューの最後にも「竜王戦以外でももっと勝たなければなりません」と改めて決意のほどを表明しているが、現実はそれほど甘くない。順位戦で負け、棋聖戦も2連敗で失格、タイトル挑戦への道はすでに絶たれた。いま一番棋戦優勝に近いのが朝日杯将棋オープンである。公開対局で1日で準決勝、決勝とこなすスピィーディな試合方式は直感力に勝る若手に有利と思われる。ベスト4に残ったのが佐藤和、阿久津、渡辺、久保と珍しく羽生世代の名前が見られない。このなかで一番若いのが渡辺でタイトル保持者でもあるし、ここは貫禄を示しておきたい。

将棋世界のなかでは久しぶりの過激企画「指し込み2番勝負!!」が面白い。ついにというべきか若手の糸谷がタイトルホルダーの深浦を香落ち平手で血祭りを挙げた。さすが大物、局後談話では今度は香落ち上手で指したかったという。確かに香落ちははっきり良くするのは難しいかもしれないが、トップと若手強豪ではキツイ手合いなのかもしれない。第三回は渡辺と豊島の対戦となる。もう終わっているはずだが結果はどうなったのだろうか。来月号が楽しみである。