王位戦第五局は相矢倉になった2008/08/26 23:44

http://www3.topics.or.jp/49oui/
ここまで深浦の3勝1敗、早くも羽生をカド番に追い込んでいる。あと1勝で王位のタイトルを防衛することができる。第五局は後手番でもあるので冷静に先手に追随する作戦を採ったようだ。後のない羽生は相矢倉に誘導、深浦が二手目に△8四歩と応じたのですらすらと前例のある形に駒組みが進んでいった。この▲4六銀▲3七桂の形もプロ棋戦で出始めた当初は攻め筋がわかりやすく破壊力抜群の新手法であった。いまだに指されるのはまだはっきりとした結論が出ていないからだろう。しかし現在は後手番の対策が進んでいるのでそう簡単に先手が良くなることもない。

ウェブの記事によると、深浦の58手目△3六歩が新手という。確かに前例がない局面かもしれないが部分的にはよくある手筋でびっくりする程の新手という感慨はない。これに対して羽生は約2時間ほど長考。一番の強手▲5四歩で応じた。深浦はこの手を本筋として予想していたかどうか、これまた58分の長考で封じ手を行った。実は59手目▲5四歩は怖い手である。普通に考えると▲3六同飛が自然であろう。封じ手の局面で気になるのは△4五歩である。以下▲3三桂成△同銀引▲4五銀は△3七歩成が生じる。当たっている銀が動くと歩成があるので先手としては攻め方に工夫が必要となる。

深浦も深い研究に裏付けされた新手を出したのだろうし、羽生も2時間の長考でこの先の展開を見通している。果たしてどちらが読み勝っているか。中盤の一手一手の比重が重たい。明日の展開も楽しみである。