竜王戦の決勝トーナメントも佳境に入った2008/08/16 23:52

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先ほど夏休みの帰省から戻った。まったくパソコンに触れない日が三日続いたがその間にも竜王戦の決勝トーナメント、注目の深浦-羽生戦が行われている。早速上のページに接続すると羽生勝ちが報じられていた。王位戦では1勝3敗と苦戦している相手だけに羽生がここを突破できるかどうかが挑戦者になる大きな関門となる。羽生の後手一手損角換わり+9筋位取り+四間飛車という作戦。後手としては作戦の選択肢が多いのだが勝率のほうはあまり芳しくない。これに対して深浦は対右玉でよく見る地下鉄飛車で9筋から攻めていく。中盤は圧倒的に先手のほうが優勢である。

67手目の▲4三角成となったところでは深浦を相手に逆転できるプロが何人いるだろうか。後手から見ると9筋を破られて他に主張するところもないので相当苦しそうに見える。しかし羽生はここから巧みに先手の嫌味をついていく。80手目△5九銀と打ち込んだところではなんと勝負形になっている。羽生マジックの恐ろしさである。上図は羽生が90手目△2六角成と開き王手をかけたところ。ここで深浦の指した▲2八玉と逃げた手が痛恨の失着。▲4九銀と合い駒すれば難解な終盤戦だったという。深浦はたぶん本譜の詰み筋をうっかりしたのであろう。最後は盤上の駒がうまく利いてピッタリの詰み。

羽生はまずは大きな難関を大逆転で乗り切った。次は挑戦者決定戦進出をかけて丸山と対戦。それに勝つとすでに木村が挑決で待っている。今回の勝利で永世竜王への道のりがだんだん見えてきた感じがする。