下流にならない生き方2008/03/20 23:57

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062724294.html
真壁昭夫 下流にならない生き方―格差社会の絶対幸福論 講談社+α新書 2007年 を読んだ。格差と一口にいっても世の中には様々な格差が存在している。最近のニュースでは勝ち組、負け組といった所得格差がよく紹介されている。働けど働けどお金を手にすることができないワーキングプアや日雇いの仕事をしながらネットカフェで生活しているネットカフェ難民。小泉改革は借金まみれの国家予算の見直しをかけるため構造改革を進めていった。その元凶はどこにあるかといえば、バブル崩壊後の失われた10年と見る向きも多い。

当時バブルといってもお給料は上がらないし全然恩恵を受けてないと感じていたが、実際にはここ数年は景気の悪さも手伝って収入は四分の三以下に落ち込んでいる。昨今の円高や株安などを見ると下流に落ちてしまうのも時間の問題なのかもしれない。そこでこの本を手にしたのであるが、要はやりたいことを見つけて新しい幸福モデルを築いていきなさいと勧めている。今までの価値観を見直して新しいことにチャレンジしていこう。そこにリスクがあるかもしれないがセーフティネットでなんとかなる。従来は会社という組織のなかでいかにみんなと仲良く仕事をするかが重要であった。

これまでの幸福の基準といえる、お金持ちになりたい、社会的地位がほしい、目立つことをしたいなど、画一的な目標というのはなくなりつつある。格差社会のなかでいかに自分の得意なことを発揮できる道を見つけられるか。そんな人たちであふれていれば日本の将来も安泰なのだが。

コメント

_ 研究者 ― 2008/05/03 21:06

確かに現代社会の閉塞感は格差社会によるものが大きいと思う。若者が希望を持てず、少子高齢化が進み経済成長も伸び悩んでいる。そんな中でどうやって国のリーダーは国家の建て直しをはかるのだろうか。今私たちにできることは限られているかもしれないが、もう一度明るい社会を作るために一人ひとりが協力することが必要だ。現代社会の人間性の喪失は歴史上ないくらいに深刻だと思う。ただ経済問題を解消するだけではどうにもならない問題も多い。維新、戦後と欧米の価値観を追求してきたツケがまわってきたのかもしれない。あるいはまったく新しい時代を革新する「天才」でも出てこない限りはこのような時代に変化はこないのか。

_ 新戦法 ― 2008/05/06 23:36

研究者さん

> あるいはまったく新しい時代を革新する「天才」でも出てこない限りはこのような時代に変化はこないのか。

新たな時代を変革する「天才」というよりは、新たな時代の波を増幅するようなキーパーソンと言い換えてもいいかもしれませんね。テレビや新聞などのマスコミが大騒ぎするほど現代社会は悪い時代ではないと思います。

徐々に画一的な価値観が崩れて、たとえば昔はアイドルやヒット曲などもある程度限定的だったのですが、今は価値観の多様化が広がり個々にとって数えきれない程の選択肢があります。そうした社会がうまくまわっていく仕組みが求められるかとも思料します。

_ 研究者 ― 2008/05/07 15:59

コメントありがとうございます。まさにその通りだと思います。毎日このブログを見るのを楽しみにしています。
 ところで、ノストラダムスの四行詩で質問があります。実証学的なノストラダムス研究が進んでいるのに、今さらだと思われるかもしれませんが、1-50と1-95,6-70の三行目の頭の部分である「Son bruit=彼の名声」が呼応して「CHYREN」を導いていると思うのですが、何か考えを示してくださったら幸いです。

_ 新戦法 ― 2008/05/09 00:29

研究者さん

「CHYREN」をどのように受け取られているのか判りませんが、bruitという単語は予言集のなかで比較的頻度の高い詩語なので、この部分だけを切り取って呼応しているとは説明不足ではないでしょうか?

1-50はリシャール・ルーサの著作がソースでアンテクリストと関連?。1-95は異教のカルヴァン派を指すとされます。6-70は、シランはアンリのアナグラム(アンリ二世)、プリュ・ウルトラはカール五世のモットー、というのが現在の注釈者たちのほぼ一致した定説です。

1-50と1-95はユピテル主義者=カルヴァンと結びつければ関連はなくもないですが、6-70についてはどうなんでしょう?

_ 研究者 ― 2008/05/09 13:18

細かい御指摘ありがとうございます。自分のまわりにはノストラダムスに詳しい人はいないので、とても参考になりました。個人的には、世界のノストラダムス研究を集めた本が欲しいのですが、新戦法さんは執筆なさらないのでしょうか?
 五島氏の「人類滅亡説」であれだけ日本を騒がせたのに、まともなノストラダムス像を見れるのが、インターネットだけというのも何か物足りないです。

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