棋王戦挑戦者は1000勝達成の羽生に決定2007/12/29 23:55

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早いもので今年もあと2日で終わる。自分自身振り返ってみると、なかなかやりたいことが十分できなかった。ホームページも5月の更新以降サボり放しである。正月休みを利用して少しは整理したいと思うが、明日から旅行に行くので1月2日までこのブログも休止となる。さて年末に行われたA級順位戦の谷川九段vs佐藤二冠の大一番は谷川が勝って2勝4敗と一息ついた。これに対して佐藤の6連敗はまったく予想もできない異常事態である。正直ここは佐藤が初白星を挙げるのではないかと思っていたが谷川のここ一番の勝負強さが出た形となった。ついこの間まで三冠目を狙ってタイトル戦を戦っていた棋士がここまで追い込まれるとは。しかし佐藤がA級を陥落するとはどうしてもイメージできない。最後は3連勝でなんとか凌ぐことだろう。

その佐藤が保持するタイトル、棋王への挑戦者決定戦が行われた。羽生が阿部を破り勝者組の1勝ですんなり挑戦を決めた。戦型は後手一手損角換わりで9筋の位をとっての向かい飛車。手順は多少前後するが将棋世界2月号の「イメージと読みの将棋観」のテーマ1図に近い。羽生はこの珍戦法に対して戦法として成立する可能性について言及している。阿部は羽生の挑発に乗りよくある筋の▲6五角(17手目)を打って馬を自陣に引きつける。その代償として羽生は七筋の位を確保して厚みを築く。羽生の指し手はまさしく緩急自在。最後はうまく捌いて囲碁でいう中押し勝ちのような完勝劇だった。羽生は先ごろ1000勝達成でニュースになったが、通算勝率が七割を超えているのは尋常な強さではない。

佐藤はこの最強の挑戦者に対してどう戦うのだろうか。棋王戦と並行して順位戦の最後の3局が行われる。そろそろ調子の波も上向いてくるのではないか。A級残留とタイトル防衛というのは佐藤の実力からすればそう難しいことではない。どうのように立て直すのか注目したい。

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