王位戦は深浦が勝利、奪取まであと1勝に2007/08/09 23:58

http://qnet.nishinippon.co.jp/shogi/oui/48oui/
王位戦のウェブページを開いてみると、そこには満面の笑みの深浦の顔があった。今までだったらここぞというときに無類の強さを発揮してきた羽生がいいところなく敗れた。これで星勘定は1勝3敗と後がなくなった。深浦の初タイトルが現実味を帯びてきたがまだ勝負がついたわけではない。次の後手番で決めようと肩に力が入りすぎて調子を崩さなければ、自分自身のペースを守ることができればタイトル獲得は濃厚である。このチャンスはぜひともモノにしたい。羽生は往年のマジックが不発で妖しい終盤勝負に持ち込めないのが大きな誤算だ。

封じ手は△8八歩でここから本局が始まったといえる。やり辛い手と思われたが結局△3六歩に戻った。羽生の狙いは何だったのだろうか。一度突き捨てた8筋の歩を打ち直して端の突き捨てを入れての△1四角。しかしこの手はどうも不発に終わってしまったようだ。上の局面にある▲4七歩が深浦らしい堅実な好手。一見すると金取りを受けただけの弱気な手に思えるがこの手を境に先手に形勢が傾いた。結果論であるが76手目の△7六桂も先手玉への寄せが見えなくなり分りやすくなってしまった。81手目の▲3三角が強手で勝勢となり粘る後手玉を着実に寄せ切った。

やはり羽生といえども角換わり腰掛銀の同型の後手番の不利感を払拭できなかった。これで防衛するには3連勝しかない。羽生なら逆転防衛しても不思議ではない、そんな信頼感はまだ残っている。