大予言検証2008/12/08 23:52

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4775512633.html
ちょっと前に買い込んでいた予言モノのムックが手元にある。山口敏太郎監修 大予言検証―2012年人類滅亡は訪れるのか!? オークラ出版 2008年10月 を読んだ。表紙にはいま話題のジュセリーノの顔が見える。本人もこういうキワモノ予言本の表紙にバーンと顔写真が出てしまうのは本意ではないだろう。とかく最近は2012年ものの本を目にすることが多い。表紙に「ハルマゲドン商法にダマされるな!」とあるが、こういった本こそ売らんかなという便乗商売ではないだろうか。傑作なことに、監修者の山口氏が一相談者として現代の巫女"弥勒さま"にお伺いをたてた対話を特別インタビューとして巻頭カラーで掲載している。どんなすごい予言かと思いきや内容は至って平凡で、さらに言葉をそのまま引き移したために意味が取りづらい。

第1章「過去の予言者が遺した破滅のシナリオ」の冒頭に「ノストラダムスの予言」の記事が載っている。さて、どのような料理の仕方をしているかと期待しながら頁をめくってみると、懐かしい雑誌記事のコピーが目に入った。ノストラダムスサロンの雑誌記事一覧の1970年代を参照すると、左上が微笑1974.01.26号、右上は文芸春秋1974.01.21月号か。右下は週刊女性1974.01.05号、左下が週刊現代1974.02.07号である。ちなみに『ノストラダムスの大予言最終解答編』18頁のある大出版社の週刊誌の「笑うべきインチキ本、驚くべきデタラメ解釈」と決めつけた特集記事とは週刊現代のものである。そんな25年前のことでも五島氏はずっと覚えていて結構根に持つタイプのようだ。

話はそれたが、「ノストラダムスの予言」のまえがきには「ノストラダムスの再評価、またその正体を検証する」とある。そのスタンスは本のタイトル通りなのだが、内容はインターネット上の情報をかき集めたもので、911の偽予言やクロケットの極秘予言、六行詩などありきたりな感が強い。肝心の再評価といえば、「世界的な予言者に祀り上げられた悲劇の詩人」と見出しにある。確かに「マスコミや人々の幻想が必要以上に持ち上げた」というのは賛同できるが、悲劇というのはそぐわない感じがしてならない。