竜王戦第五局は渡辺が勝って2-3に2008/12/05 22:46

http://live.shogi.or.jp/ryuou/index.html
さきほど報道ステーションというテレビ番組で本日の竜王戦の結果について報道があった。お目当てはもちろん羽生の永世七冠の偉業達成である。現地には羽生の竜王奪取に備えて多くのテレビクルーが入っていたことだろう。結果は渡辺が勝って永世七冠のニュースは次回に持ち越しとなった。棋譜を並べてみると、久々の渡辺の会心譜だったように思う。渡辺の最大の持ち味である攻めの威力が存分に発揮されている。中盤まではずっと互角で難しい形勢であったが、さすがの羽生といえども渡辺に一方的に攻められては勝機をつかむのは難しい。

渡辺が103手目▲5三金と打って詰めろをかけたところでは決まったかと思われた。羽生も△9七銀~△2四角と手順を尽くして粘るが、111手目▲3五歩が読みの入った決め手となった。渡辺の実力を示した手でさしもの羽生もここで負けを悟ったようだ。以下は△4七馬を形を作って即詰みに打ちとられた。羽生相手にこういう強い勝ち方ができたことで渡辺は自信を取り戻したのではないだろうか。まだカド番で苦しいことに変わりはないが、次の後手番を凌げるかどうかが大きなポイントとなる。・・・封じ手は予想通り▲1五歩と端を攻める。以下は停滞することなく銀を捨てての猛攻が続く。

73手目の飛車桂両取りに桂馬を打った手に両取り逃げるべからずと▲6四歩と突いたのが驚愕の一手。駒の損得だけ見ると、と金を作ったとはいえ先手飛車の丸損である。これで細い攻めが続けば先手が優勢になる―渡辺の大局観が十二分に発揮されたと言える。3連敗後の4連勝がない将棋界。今の渡辺を見るとドでかいことを期待させてくれる。