アンリ二世への書簡の註解 ― 2008/03/18 23:31
ノストラダムス雑記帳のブログを読むと、序文に続いていよいよアンリ二世への献呈書簡の翻訳を手がけるとある。この書簡のきちんとした註解は今のところ日本では存在しない。全訳としては、たま出版のものと川尻氏の『ノストラダムスメシアの法』の巻末に載っている訳者不明のものがある。前者の訳文はロバーツ本からの重訳のはずだが意味不明の自由訳となっている。ロバーツの英訳は基本的には1672年のガランシェールの英訳を転用しているが、ところどころ単語を入れ替えている。ご丁寧なことにガランシェールの「読者へ」というイントロダクションも載録している。後者のテクストはセルジュ・ユタンの著作から注釈も含めてコピーしている。訳文は割合にまともである。
アンリ二世への書簡は、全体的な構成を見ると明らかにヨハネ黙示録を下敷きにしている。予言集の8-10巻もこのテーマに沿った四行詩が多い。未来に起こるであろう出来事を絵巻物でも紐解くかのごとく暗澹たるイメージを伴っている。日本でこの書簡の部分的解釈した本は、アルガイヤーの『悪魔のシナリオ』、五島氏の『大予言』シリーズ、それと『大予言者ノストラダムスの謎』の補遺で河合氏が重厚な解説を試みている。いずれも直観的な予言解釈であってテクストを注意深く分析した形跡は見られない。海外に目を向けると、書簡の初期の英訳としてガランシェールと19世紀のウォードのものがある。1962年にレオニが初めて逐語的な英訳と注釈をまとめた。
書簡の註解で評価されているのがド・フォンブリュヌ博士のものと聞いたことがある。その本も手許にあるが細かいところは読めていないので評価はなんともいえない。今回のsumaruさんの日本語訳は日本で初めての本格的な註解になると期待される。6月27日が今から非常に楽しみである。
アンリ二世への書簡は、全体的な構成を見ると明らかにヨハネ黙示録を下敷きにしている。予言集の8-10巻もこのテーマに沿った四行詩が多い。未来に起こるであろう出来事を絵巻物でも紐解くかのごとく暗澹たるイメージを伴っている。日本でこの書簡の部分的解釈した本は、アルガイヤーの『悪魔のシナリオ』、五島氏の『大予言』シリーズ、それと『大予言者ノストラダムスの謎』の補遺で河合氏が重厚な解説を試みている。いずれも直観的な予言解釈であってテクストを注意深く分析した形跡は見られない。海外に目を向けると、書簡の初期の英訳としてガランシェールと19世紀のウォードのものがある。1962年にレオニが初めて逐語的な英訳と注釈をまとめた。
書簡の註解で評価されているのがド・フォンブリュヌ博士のものと聞いたことがある。その本も手許にあるが細かいところは読めていないので評価はなんともいえない。今回のsumaruさんの日本語訳は日本で初めての本格的な註解になると期待される。6月27日が今から非常に楽しみである。
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