三段リーグが終了、新四段は稲葉、田中に2008/03/11 21:33

http://www.shogi.or.jp/kisenhyo/sandan/42/index.html
将棋のプロになるには奨励会の最終関門である三段リーグを抜けなければならない。リーグ戦は半年毎に行われ上位2名が晴れてプロ棋士になることができる。今期の三段リーグは34名、18局戦って成績の上位2名が卒業となる非常に狭き門だ。今期の展開は朝日アマ名人という鳴り物入りで入会した吉田がずっとトップを走っていた。地獄の三段リーグの1期抜けの大きなチャンスだったが最終日連敗で次点に留まった。やはりそう簡単にはいかない。初参加でこの成績は力のある証左といえるが、来期も同じような成績が取れるとは限らない。現に前回の次点者である一瀬は5-13と大きく負け越している。

吉田にとっては非常に大きな黒星だった。逆にいえば三段リーグでもう少し揉まれてからプロになったほうが、長い将来を見据えるとプラスになるかもしれない。今後の本人の取り組み次第である。本来ならプロに匹敵する実力を持っている20歳前後の俊英たち、早く公式戦で指しての活躍を夢見ていることだろう。いかに将棋界の風通しの悪いことか。力の落ちたベテランにはお引き取り願ってバリバリの若手にもっとチャンスを与えられないものか。連盟の経費の面から棋士の数を制限しているのはわかるが、やはりその時々の実力を反映したシステムにしていくのが理想である。そろそろ順位戦を含めた改革の必要がありそうである。

昇段の切符を手に入れた稲葉と田中はこれまでの長い間の修行が実を結んだ人生最良の日であったことだろう。浮かれるのは無理もないことだがここからが本当のスタートライン。4月から始まる新参加の順位戦に備えてさらなる精進を期待してやまない。