王将戦第五局は羽生が大逆転で防衛を決めた ― 2008/02/28 23:58
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王将戦は羽生が勝って防衛、とこう書くとすんなり順当に勝ったような感じを受けるのだが、実は終盤ドラマがあった。注目の久保の封じ手は意表を突いた▲7五歩と桂頭を攻める手。まさに攻撃は最大の防御なりと地でいく作戦だ。昨日封じ手局面を考えたとき、ちらっとこの手も浮かんだが、あまりにも激しい変化に突入するので振り飛車が動き過ぎと思い捨てた手である。羽生はこの手を想定していたかどうか、一気に決戦となり飛車を捨ててと金を作る展開に進める。形勢は難しいところだが、やや先手が有利かもしれない。ここから後手は一方的に先手を攻めたてる。
後手が66手目△7八角成と飛車を取り返した局面を見ると、△2四桂が入って4九金も離れ駒、手番は先手だが後手が有利になったように見える。そこから久保は頑張った。3筋の攻めを間に合せようと、忙しい中自陣に手を入れる。73手目▲3五歩と突いたところでは全くの互角であろう。そんななか羽生に△6三金の疑問手が出て久保に形勢が傾く。しかし羽生はこういった苦しめの終盤を正確に読むことで、これまで多くの逆転勝ちを収めてきた。81手目▲5三飛成としたところでは久保は勝ったと思ったのではないか。99手目▲5九玉と飛車を手にして後手は必至、先手には詰みがなさそう。ところが・・・
羽生の王手攻勢108手目△7四桂に▲7五玉が久保無念の敗着となった。▲7六玉ならはっきり詰まない。ここまで勝勢を築き上げたのがたった一手の悪手で勝利がするりと逃げて行く。こういうのを見ると、将棋は逆転のゲームなのだと改めて感じる。そこに魅力もあるわけだが、当事者にとっては残酷である。ともあれ王将戦は終わった。七転び八起き、久保の巻き返しに期待したい。
王将戦は羽生が勝って防衛、とこう書くとすんなり順当に勝ったような感じを受けるのだが、実は終盤ドラマがあった。注目の久保の封じ手は意表を突いた▲7五歩と桂頭を攻める手。まさに攻撃は最大の防御なりと地でいく作戦だ。昨日封じ手局面を考えたとき、ちらっとこの手も浮かんだが、あまりにも激しい変化に突入するので振り飛車が動き過ぎと思い捨てた手である。羽生はこの手を想定していたかどうか、一気に決戦となり飛車を捨ててと金を作る展開に進める。形勢は難しいところだが、やや先手が有利かもしれない。ここから後手は一方的に先手を攻めたてる。
後手が66手目△7八角成と飛車を取り返した局面を見ると、△2四桂が入って4九金も離れ駒、手番は先手だが後手が有利になったように見える。そこから久保は頑張った。3筋の攻めを間に合せようと、忙しい中自陣に手を入れる。73手目▲3五歩と突いたところでは全くの互角であろう。そんななか羽生に△6三金の疑問手が出て久保に形勢が傾く。しかし羽生はこういった苦しめの終盤を正確に読むことで、これまで多くの逆転勝ちを収めてきた。81手目▲5三飛成としたところでは久保は勝ったと思ったのではないか。99手目▲5九玉と飛車を手にして後手は必至、先手には詰みがなさそう。ところが・・・
羽生の王手攻勢108手目△7四桂に▲7五玉が久保無念の敗着となった。▲7六玉ならはっきり詰まない。ここまで勝勢を築き上げたのがたった一手の悪手で勝利がするりと逃げて行く。こういうのを見ると、将棋は逆転のゲームなのだと改めて感じる。そこに魅力もあるわけだが、当事者にとっては残酷である。ともあれ王将戦は終わった。七転び八起き、久保の巻き返しに期待したい。
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