王将戦第二局は羽生の新手が奏効して二連勝2008/01/25 23:30

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久保にとっては辛い敗戦となった。自信を持って仕掛けたゴキゲン中飛車の超急戦はまたしても羽生の厚い壁の前にはね返された。それにしても不思議なのは久保の選択した作戦である。一局目、二局目とどうして玉形の不安定な実戦的に勝ちづらい展開に進めてしまったのだろうか。もちろん自分の読みを信じて弱気にならずに踏み込んだつもりだろうが、ここまではことごとく裏目に出ている。局後の久保の感想ではすでに一日目に形勢を損ねていたという。

佐藤新手に対する羽生の新手▲9六角はこの形での決定版になるのだろうか。久保はまったく想定外だったようで逆に羽生はしたためていた構想だろう。この手自体が成立しているかはっきりしないが、少なくとも久保の意表を突いた。封じ手は予想通り▲1三竜だが久保は▲4六角を本線に読んでいたようで読みが噛み合っていなかった。その後の羽生の指し手はまったく隙がない。少し有利な形勢を無理なくポイントを稼いでいく万全の指しまわしである。これだけ丁寧に指されると久保も勝負手の出しようがない。結局二日目は羽生の独壇場で一方的な勝利に終わった。

今回は結果を出したい、と直前のインタビューで意気込みを見せていた久保の現実は厳しい。次の先手番は石に噛り付いてでも勝つことに執着してほしい。久保の最も得意とするサバキの将棋を将棋ファンは見たがっているはずだ。次の先手番は得意の新早石田を指させてもらえるか。羽生が冷静に勝負に徹するなら再度の相振り飛車もあるかもしれない。