ザ・プロフィット―利益はどのようにして生まれるのか2007/02/11 23:45

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=%83%55%81%45
エイドリアン・スライウォツキー 中川治子訳 ザ・プロフィット―利益はどのようにして生まれるのか ダイヤモンド社 2002年 を読んだ。日曜日の朝はTBS系の「がっちりマンデー!!」 http://www.tbs.co.jp/gacchiri/index-j.html を見て始まる。この番組ではゲストに儲かっている会社の社長を呼んで、どうやって収益を上げているかを非常にわかりやすく紹介している。これを見ると自分でも起業してうまくいくような錯覚にとらわれるが、もちろんそんな簡単にビジネスが成功するわけではない。

「ザ・プロフィット」という本はその題名の通り利益とは何かを追求した本である。一般のビジネス書と違って小説仕立てになっており、ビジネスにおいて利益が出るモデルを熟知したチャオに、大企業の戦略企画で働くスティーブが教えを請うといったスタイルになっている。チャオの語るビジネスモデルと利益の関係は23パターンにも及び、そのどれもが一般に当てはまることばかりだが内容はなかなか難しい。例えば、今日のテレビで紹介されたコロッケの店はどれにあたるのか。そう、2章のファイアウォールで利益を守る―に一致している。

ファイアウォールとは何か。他社の追随を防ぐために利益の上がらない廉価な商品を市場に投入し、ピラミッドの最上階に強力な利益製造マシーンを配備することでトータルの利益を確保するといったモデルである。コロッケも確か50円のものが4割、値段の高いものが6割といった按配で、50円コロッケで他の参入を封じ込んでいることに気づく。もちろん他にもいろいろと工夫をすることで収益を確保している。チャオのいう23のパターンはそれぞれが独立しているのではなく現実はその複合であるといえる。数字を使った頭のなかのシミュレーションというのも有用な手法である。この本は自分自身がスティーブと一緒に講義を受けているようで大変得るところがあった。