雑誌『ムー』2007年2月号を読んで ― 2007/01/21 21:58
久しぶりにスーパー・ミステリー・マガジン『ムー』を購入した。表紙の「ガリバー旅行記」とUFO―という記事が目に入ったからだ。実はノストラダムスほどではないがジョナサン・スウィフトにも長年関心を持っている。最初に読んだスウィフト論は中野好夫氏の『スウィフト考』で、その後も面白そうなスウィフト論については手に入れて読んだものだ。最近ではミネルヴァ書房の『ガリヴァー旅行記(シリーズもっと知りたい名作の世界)』http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9981117021 を入手したばかりだ。
さて『ムー』の該当ページを開いてみると、記事のタイトルには 「ガリバー旅行記」に隠されたアトランティスの叡智―とあり、副題には「作家ジョナサン・スウィフトはUFOコンタクティだった!?」になっている。もちろんガリバー旅行記のこんな読み方は聞いたことがない。記事によると、第三部の空飛ぶ島ラピュタの話のなかに出てくる火星の衛星についての記述を取り上げて、どうしてスウィフトが火星の衛星のことを知ったのか不思議だとしている。(手元の新潮文庫では205頁、旺文社文庫では193頁にあたる)
そして古代の秘儀から知識を得ていたのでは、という大胆仮説を唱える。スウィフトがフリーメンソンの位階の高い人物で、古代から受け継がれた秘密の知識に基づいて執筆したのだという。火星の衛星の話だけでよくもここまでイマジネーションを働かせるものと感心する。挙句の果てにはラピュタのモデルがUFOでスウィフトがコンタクティであった可能性もある、な~んて荒唐無稽な話をとってつけたかのように末端に加えている。それが、表紙の「ガリバー旅行記」とUFO―になったのだろうが、こういうのは誇大広告とはいえまいか。一般的には、ラピュタはイングランドの象徴、下の島がアイルランドで当時の対立図式を諷刺したものとされる。ラピュタのすっとんきょんな学者の話はニュートンが会長を務めた王立ソサエティを諷刺したものだ。
ちなみに『ムー』の総力特集 緊急警告!! 消された惑星「冥王星」の黙示録―を見たところ、最後の部分でノストラダムスの予言を引っ張り出している。まさに「今さら?」といった感じだ。例の1999年の四行詩を豊かな空想力で解釈しているが一つ気になる記述があった。ソ連崩壊を予言的中させたある研究家が1999年の詩を「ハプスブルク家の再来を予言したもの」と述べており、それは日本のリーダーのことと強引に結び付けている。ここでいう、ある研究家とはイオネスクだろうが、ハプスブルク家の再来なんて言っていない。(『ノストラダムス・メッセージⅡ』)よりふさわしいのはメロヴィング朝のクロヴィス一世でフランスの王としているだけだ。『ムー』の記事は何でもありの力技であるとしか思えない。他の記事も似たようなものである。
さて『ムー』の該当ページを開いてみると、記事のタイトルには 「ガリバー旅行記」に隠されたアトランティスの叡智―とあり、副題には「作家ジョナサン・スウィフトはUFOコンタクティだった!?」になっている。もちろんガリバー旅行記のこんな読み方は聞いたことがない。記事によると、第三部の空飛ぶ島ラピュタの話のなかに出てくる火星の衛星についての記述を取り上げて、どうしてスウィフトが火星の衛星のことを知ったのか不思議だとしている。(手元の新潮文庫では205頁、旺文社文庫では193頁にあたる)
そして古代の秘儀から知識を得ていたのでは、という大胆仮説を唱える。スウィフトがフリーメンソンの位階の高い人物で、古代から受け継がれた秘密の知識に基づいて執筆したのだという。火星の衛星の話だけでよくもここまでイマジネーションを働かせるものと感心する。挙句の果てにはラピュタのモデルがUFOでスウィフトがコンタクティであった可能性もある、な~んて荒唐無稽な話をとってつけたかのように末端に加えている。それが、表紙の「ガリバー旅行記」とUFO―になったのだろうが、こういうのは誇大広告とはいえまいか。一般的には、ラピュタはイングランドの象徴、下の島がアイルランドで当時の対立図式を諷刺したものとされる。ラピュタのすっとんきょんな学者の話はニュートンが会長を務めた王立ソサエティを諷刺したものだ。
ちなみに『ムー』の総力特集 緊急警告!! 消された惑星「冥王星」の黙示録―を見たところ、最後の部分でノストラダムスの予言を引っ張り出している。まさに「今さら?」といった感じだ。例の1999年の四行詩を豊かな空想力で解釈しているが一つ気になる記述があった。ソ連崩壊を予言的中させたある研究家が1999年の詩を「ハプスブルク家の再来を予言したもの」と述べており、それは日本のリーダーのことと強引に結び付けている。ここでいう、ある研究家とはイオネスクだろうが、ハプスブルク家の再来なんて言っていない。(『ノストラダムス・メッセージⅡ』)よりふさわしいのはメロヴィング朝のクロヴィス一世でフランスの王としているだけだ。『ムー』の記事は何でもありの力技であるとしか思えない。他の記事も似たようなものである。
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