棋王戦挑戦者は2連勝で久保に決まった2009/01/08 21:43

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いや~、まいった。どうも風邪を引いてしまったようで、昨日、一昨日とダウン。病院で診てもらったらインフルエンザでなかったのでホッと一安心である。今日も電車に乗るとマスクをしている人がそこらにいる。この季節は風邪が流行っているのだ。体調には気をつけなければ。昨日のことになるが、久保が敗者組から2連勝して棋王戦の挑戦者に名乗り出た。木村もあと1勝が届かずさぞかし歯がゆかっただろう。久保はこれまでのタイトル戦はすべて羽生に挑んでいるがことごとく跳ね返されている。今回は佐藤棋王への挑戦で内心大きなチャンスと捕らえているに違いない。タイトルを取るのは充実している今こそ一番可能性が高いはずだ。

ネット中継された棋譜を並べてみた。序盤はいつも指している新戦法と同じような展開で非常に参考になる。最近はアマの大会でも木村が得意としている二枚銀での押さえ込みを狙ってくる場合がある。実際にうまく押さえ込まれて作戦負けになったこともある。そういった意味で久保の指し回しは中飛車党のきれいなお手本となる。それにしても久保はどうしてこれほど巧みに駒が捌けるのだろう。7筋と玉頭でごちゃごちゃ指している間にあっという間に理想的に捌けてしまった。75手目▲6六角と引いたところでは左辺の金銀が自分だけ手駒になっており飛車角も急所に配置されている。97手目には自陣に金を埋め込む▲5八金打で絶対に落とさないという辛い手も見せた。

この将棋での終盤はわかりやすい一手勝ちとなったが、タイトルを奪取するには優勢な局面から最善で勝ちを狙う手堅さが必要となる。久保には是非初タイトルを取らせてやりたい。そんな気にさせる将棋の内容であった。もっとも佐藤も棋王を失うと無冠の九段になってしまう。昨年のA級順位戦最終局のような鬼と化す姿が見られるのか。フレッシュな顔合わせは楽しみである。