ノストラダムスが予言していた「東洋人の大軍隊」 ― 2019/04/13 22:33
今日たまたま本屋で手に取ったスーパーミステリーマガジン『ムー』 5月号(No.462)にノストラダムス関連の記事が載っているのを見つけた。編集長の三上丈晴氏は先日のテレビ番組のコメントでもう『ムー』ではノストラダムスを扱えないようなコメントをしていたが、1999年以降もところどころノストラダムスを登場させている記事が見られる。『ムー』のウェブサイトの目次を見ても「中国人民解放軍の黙示録大預言」とあるだけでノストラダムスの予言が扱われているのか判然としない。しかし、記事の見出しを見ると、副題に「ノストラダムスが予言していた「東洋人の大軍隊」」とある。
記事の署名は吉田親司氏で緊急警告レポートと銘打っている。そして見開き頁の左上にはさりげなくノストラダムスの肖像が挿し込まれている。記事の内容は実際に『ムー』を手に取って読んでいただくしかないが、まず冒頭で「ヨハネ黙示録」の有名なフレーズ「刻印なき者は誰ひとり物の売買ができぬようにした」というのを中国における電子マネー取引の興隆と結びつける。最近のトピックもそつなく取り込んでいる。そしてノストラダムス予言集 詩百篇2-48、2-29、5-54を引用して中国人民解放軍という大軍隊が世界の覇権を狙ってヨーロッパ進軍を開始すると解釈している。
四行詩の訳文については岩波の『ノストラダムス 予言集』を参照して独自に作成したものか。2-48の四行目の「縄」「荷紐」をラブレーの『第一之書 ガルガンチュワ物語』と結びつけているのは明らかに『ノストラダムス 予言集』165頁を見ているはずだが意味深な単語というだけで安易にpole極点に結びつけている。2-29と5-54の類似性は従来より指摘されており『ノストラダムス 予言集』から戦争のシナリオを描き出そうとする解釈本の類では定番と言っていいほど有名な予言である。もちろんこの東洋からの王を反キリストなり中国と見なす解釈もありふれた言説である。
例えば、レニ・ノーバーゲンの『ノストラダムスの予言した第三次世界大戦』(1980)では2-29を「中国軍、フランスに攻め入る」、5-54を「中国、ソビエト南部に侵攻」と見出しを付けている。ソビエトはすでに消滅してしまったが現代のロシアに該当する。記事では「ヨハネ黙示録」の「その騎兵隊の数は二億であった」を引用し、中国人民解放軍のなかに大量のロボット兵士も含まれるのではないかとしている。絶対にないと否定はできないが実際のところかなりSF的な見方であるといえるだろう。さらに有名な獣の数字「666」を中国語のスラング「最高」を意味するというがいまいち関連性に乏しい。
これらの予言解釈はあくまで中国の近未来を想定したものであるが、それを数十年後、早ければ十数年後に戦闘AI搭載の完全自立ロボット兵士が戦場を支配する可能性を匂わせている。もちろんノストラダムスの予言からはそんな未来を引き出すことはできないが、近い将来人間の仕事を奪ってしまうかもしれないといわれるAI(人工知能)が戦争までも肩代わりする時代がくるのだろうか。よく言えば、かなり想像力豊かな、悪く言えば荒唐無稽なお騒がせ解釈であるが現在の中国のニュースキーワードを巧みに取り入れた『ムー』らしい記事といえるかもしれない。
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