エリカ・チータムのノストラダムス本2009/02/09 23:49

英国のノストラダムス研究家エリカ・チータムの名前は、二見書房より『ノストラダムス全予言』という邦訳が出版されたこともあって日本でも比較的知られている。未だに日本で刊行された予言集の全訳といえるのがロバーツ本とチータム本しかないのはお寒い限りである。あの最後のブームからすでに10年、こういった解釈本はもう翻訳されることもないだろう。チータムが日本で初めて紹介されたのは、1977年に学研から子供向け「超常世界への挑戦シリーズ」の1冊として発行された『大予言と謎』であろう。同書116頁には、「最近古代の予言の本を出した」とある。日本人の著者で最初にチータムに言及したのは金森誠也氏の『洪水大予言』と思われる。そこでは『ノストラダムスの諸予言』(エリカ・チーサム、1973年)から10-72、2-65、3-12、2-46の解釈を紹介している。

参照できるチータムのノストラダムス本は、なんとなくアラブ人風にアレンジされたノストラダムスの肖像が載っているもの。(画像参照)初版は1973年ネヴィル・スペアマン社から発行された。手元にあるのはペリギーブックスの23刷。この本は随分と人気があったようで、1974年に米国の初版、1975年カプリコン版、1981年バークレー版と再版されてきた。1981年には改訂増補版が出たがこれも途絶えることなく再版されていった。1988年に出た邦訳の原著は一応この1981年版のようである。二見書房の予言シリーズのどの本だったか、チータムの本が近日発売と予告していた。早く出ないかとワクワクして待っていた記憶がある。原著の構成は、1972年1月付のチータムの序文。1巻から10巻まで原詩と対訳、解釈が延々続いている。注釈のない四行詩も一部散在している。

各巻の冒頭に各四行詩の見出しをつけた目次がある。お目当ての予言がどこに載っているか一目瞭然で非常に便利だった。1985年に『続ノストラダムスの予言集』"The further prophecies of Nostradamus"(二見からの邦訳あり、解釈本)、1989年には『決定版ノストラダムスの予言集』The final prophecies of Nostradamus"が出版された。チータムの解釈本が英語圏でもっとも広く読まれたというが、ランディの評価は「まともに検討する価値がない」ほどその記述に誤りが多い。レオニを参照しているはずなのにどうしてこうなってしまったのだろうか。